去年の夏に、日本でも放映されていた(なぜか吹き替え版重視?)映画。中国では2021年5月20日公開(愛の日ですね)。
上映期間が短く、場所も限られていて見逃し、AmazonPrimeで普通プライム会員無料になってたので、ようやく見ました。
実話とされるネット小説《与我十年长跑的女友明天要嫁人了》(10年来の彼女が明日結婚する)の映画化。105分。
あらすじ的な紹介はこちら(公式サイト)で。
感想・・・
もれ聞こえてきていた感想は、それほどでもない感じで、私が見た感想も、まあ、そうかなぁという感じ。
この二人がとても愛し合ってるのにうまくいかない、そして結末が・・・💦なわけだけど、彼が恋する瞬間は描かれてたからわかるとして、彼女がここまで彼を愛している理由があんまり見えない(一応描かれてはいるけど、彼の片思いで終わってもおかしくない、高校生の恋)。映画のなかで、二人の心が強く結び合って、強く愛し合っている事実は見えるんだけど、その深さに説得力がないというか。
彼の想いも空回りもわかるけど、彼女はなぜここまで彼に惹かれ、執着してたんだろう(なんならもっとあっさり手放してくれたら、彼は一生一人ででも別の道を生きられたかも)。愛を貫く(一緒にいたい)ためとはいえ、貧しい彼に「しばらく私を養って」と言った彼女の気が知れない(涙) 彼女のこの選択で、二人の時間は一時的に増えたけど、より彼は追い詰められ、結末はより苦しい方向に向かうしかなくなったのでは・・・
二人は愛し合い、一緒に過ごしたかった。でも彼は、彼女を自分の住む世界に引きずり落とすのではなく、自分が這い上がって、彼女を幸せにしたかったのに。
とはいえ、やはり、屈楚萧はいい演技するなぁ~。
この人が高校生になると本当にそう見えるし(なんだか幼いかわいさがある)、大人になると大人の色気があり、今回はちょっと普段のワイルドさも出している感じ。
この役柄は『一闪一闪亮星星』の張万森みたいに勉強できる子じゃなかったから、こんなことになったのだろうか(高校時代の様子には、やっぱり張万森を思い出す)。
彼女と出会った頃につぶやいてたみたいに、もう少し勉強を頑張って、もう少し別のルートに乗れてたら・・・って親目線。
それとも、ただただどうしようもなく運に見放された子だったのか。まじめで優しくて、頭も悪くなくて、男気もあるのに、いろんな力にねじ伏せられてしまう。そして、避けられるような気がしてしまう不幸に突っ込んでいくラスト。でも、この子にはこれしかないかな。
なので、このラストになることが、この恋の「美化」なのかもしれない。
もう一度抱き合ったところで、幸せな結末に行ける気がしない。
いっそ教育的効果を狙ったストーリーなのか・・・(社会でまともに生きていけるよう、悪い友達とは手を切り、勉強もして、それなりに空気も読んで、安全な仕事で継続的に稼げるようになりましょう的な)とも思えてくる。
いろんなリアルが出てくる中、いまいち入り込めない何かが残念。
原作の結末はどうなんだろうと思って百度百科を見てみると・・・
3つの結末が用意されていたらしい。かいつまんで書くと、
1)男主人公・吕钦扬が帰って来て、婚約者が身を引く。
2)男主人公・吕钦扬は新疆の砂漠で死亡、後輩がその話を持って帰って来て涙を誘う。
3)男性主人公・吕钦扬は無事に仕事を終えて帰ってくるけど、そんなにお金が儲かるわけでもなく、彼女と幸せになれるわけでもなく、いつのまにか色あせた愛に気づく。
やはり結局、二人は結ばれなかったということを言いたかったのか・・・
ラストには、カレン・モクの歌う主題歌が流れる。
これはこれでよいのだけど、雪の中の孤独なラストに、私の頭に流れ出したのは、なつかしいこの曲。
ライブのエンディングで初めてこの曲を聞いたときの衝撃も思い出すけど、もう一つ思い出すのが、韓国ドラマ「このろくでなしの愛」(2005年)。当時ドハマりしたこのドラマの衝撃ラストシーン(もちろん雪の中)でも私の頭にはこの曲が流れたのでした。
覚えている人はいるでしょうか?!
さて、話は戻り、映画『あなたがここにいてほしい』
恋するワイルド系・屈楚萧を見てみる分には、見る価値あり。
なお、一般的にはヒロイン・张婧仪(チャン・ジンイー)がかわいくて目が離せない的な評価も多いけど、私にはよくわからない💦
彼女は、陈飞宇(チェン・フェイユー)くんとの主演ドラマの日本公開も控えてるし、きっと人気なのでしょう。
屈楚萧は、待望の映画版『一闪一闪亮星星』の撮影を9月初めに終え、12月30日の中国公開を待つばかり♪
どうなることかと思ってたけど、ついに完成してたんだ!
これこそ、是非見たい!
映画版『一闪一闪亮星星』はキラキラ映画になると思うけど、『あなたがここにいてほしい』を見て、やっぱり屈楚萧はこれからもっといい俳優になりそうな気がした。砂漠でおっさん(ではない。16歳からの10年愛なので26歳)になってる姿なんて、ちょっと何冰(ドラマ『白鹿原』の鹿子霖を演じた俳優)にも似てたし💦 と思ったら、同じ中央戯劇学院の出身でした。
何冰は言い過ぎにしても、スキャンダルは控えめに、ますます活躍・成長してほしいです。