父の墓参り!
父は、母が亡くなってから。
糸の切れた凧のようになった。
自分で、じぶんをどうすれば良いのか?
わからなかったようだ。
父は、最期まで再婚を狙っていたようだが。
91歳の父に再婚相手は、こなかった。
94歳で、死んだが。
万策つきての老衰死だった。
ある意味、最高の人生を終えた幸せな父だったろう。
たたき上げのサラリーマンでは、最高のポストに着き。
孫にもめぐまれ。
孫は東大に入った。
剣道が趣味の父は、孫が剣道4段になったのを
わが事のように喜んでいた。
父が死ぬ前に、母の墓参りに兄一家と、姉と、
ari_backの全員で行ったことがる。
父は、墓地の事務所から、車椅子で墓前に行って。
一心に祈っていた。
そして、ぽつり。
「あと何回墓参りにこれるか!?」と、つぶやいた。
目が、真っ赤に涙で充血していた。
それからしばらくして・・・・・!
父は、糖尿を患っていた。
甘いものを禁じられていた。
夜中の2時。
ふと、気になって父の寝室をのぞいた。
父は泣いていた。
泣きながら、羊羹を丸かじりしていた。
まるで、毒でもあおるように、羊羹を丸かじりしていた。
それからしばらくして!
父は、救急車で病院に入院し。
帰らぬ人となった。
94歳の父は、剣道7段だった。
(c) ari_back