ちょっとした仕事(タスク)を忘れてしまう人が意外に多い。ToDo リストのようなものを作って、管理すればいいだけのことなのだが。
上司から ToDoリストを作るように言われ、数日の間、「今日のタスクは ToDo リストを作ることであります」などと言っていたが、結局できなかったという人もいた。やるべきことが発生したら追加するというだけのもののはずなのに、このように気合いを入れて作ろうとするのもおかしな話である(最初に作る時は、抱えているタスクを列挙するのに時間が必要かもしれないが、それでも何日もかからないだろう・・・)。
ToDo リストを作るといっても、色々な方法がある。この業界では、PC や携帯端末など電子的なツールを使う人も多いかもしれないが、私の場合は「紙とペン」である(しかも、今のお気に入りはルーズリーフと万年筆という懐かしい組み合わせだ)。
基本的には普通に「やるべきタスク」を書いては潰していくだけなのだが、ちょっとした工夫をしている。優先が高いいくつかのタスクについては、以前紹介した フリクションボール(最近はビジネスモデル もある)を使って、赤いラインを入れるのである。フリクションボールのように消せるペンであれば、終わったタスクのラインを消すことができる。このため、常に「次にやるべきタスク」だけが赤くなっているというわけだ。
また、タスクの進行状況等のコメントを、他の色のフリクションボールで記入することもある。「次のアクション」は青、「お客様回答待ち」は緑など。やはり、状況が変わったら消して書き直すことができるので便利だ。もちろん、元のタスク自体は、普通の消えないペンで書くので、「行」を上から大胆に擦っても大丈夫である。
プログラマならではの ToDo 管理としては、「ToDo コメント」がある。
プログラミング中、細かい処理まで逐一実装しながら進めていると、思考の流れが止まってしまいそうなことがある。そのような場合、枝葉末節は後回しにして、主要な処理だけ先に書いてしまいたい、と思うだろう。
あるいは、一部の処理の仕様が確定しないまま、プログラミングを進めることもある。そういう場合は、そこだけ「仮」の実装にしておいて、他の部分を先に書いていくことになるだろう。
いずれも、後から一部の処理を書かなければならないのだが、ともすれば忘れてしまいがちである。そういう場合は、ソースコードの該当箇所に「ToDo コメント」を書くとよい。
後から実装すべき部分に、例えば「TODO:」という文字列を付けたコメントを書いておき、これを定期的に検索するのである。当然、実装が終わったらこのコメントは削除する。最終的に検索結果がゼロにならなければ、プログラムは完成しないというわけだ(「もっとコメント論 ~その4~ システムの開発や保守のために 」も参照)。
やるべきことを忘れないこと、というのは、スケジュール管理(遅れないでやる)以前の問題である。仕事をする上での最低限の条件と言ってもいいだろう。忘れないためには、忘れる前に記録すること、そしてそれを常に参照することである。方法自体は難しくない。習慣化できるかどうかが鍵だろう。
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