プログラマだって褒められたい | 悪態のプログラマ

悪態のプログラマ

とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

「叱られて伸びるタイプの人」と「褒められて伸びるタイプの人」がいるという。プログラマだって同じだろう。しかし、プログラミングという仕事では、あまり褒められることはないような気がする。

少なくとも、私はコンパイラに褒められたことはない。どんなに効率的なコードを書こうが、美しいコードを書こうが、何も言ってくれない。そのくせ、ちょっとでも間違えると、文句(警告)を言われるか、駄目出し(エラー出力)されるかだ。

ソースコードをチェックするツールもあるが、同じようなものだ。「良い評価」はしてくれない。そのくせ、全てのバグを教えてくれるわけでもない。自分が気に入らないところだけを指摘してくるだけだ(※1)。


では、人間が褒めてくれるかというと、そんなこともない。開発の現場で、人間がソースコードをレビューをする場合、その目的は、問題点を見つけ出すことである。当然、プログラマは悪い所を指摘されるばかりになる。

もちろん、プロジェクトによっては、教育(OJT)のためにスケジュールに「余裕」を持たせてある場合あるだろう。しかし、そうでない場合、プログラマの教育・指導よりも生産物の品質の確保に重きが置かれてしまうのは当然だ。

プログラマはバグを作れば叱られる。叱られなくても自責の念にかられるだろう。しかし、仕様の通りにバグがないコードを書いたとしても、特に褒められたりはしない。そんなのは当り前のことだからだ。

そう思うと、「褒められて伸びるタイプの人」にとって、プログラマという仕事は厳しいものかもしれない。


そういう私も、今やプログラマを指導する立場であるが、品質確保に追われて、いつも「悪いコード」を探してばかりである。あらためて「良いコードを探す」という行為について考えると、新鮮に感じるほどだ。

私がいつも悪態をついている原因は、実はそんなところにあるのかもしれない。

プログラマを褒めるためだけではなく、自分が仕事を楽しむためにも、意識してソースコードの「よかった探し」をやってみてもいいかもしれない(※2)。






※1
JUnit に代表される自動テストツールは、テストにエラーがなければインジケータが緑色になる(エラーがあれば赤だ)。この緑色を「褒めている」と捉えることはできる。確かに、この緑が出ると気持ちいい。

※2
良いコードとはこういうものだ、ということをはっきり認識するためにも重要だろう。例えば、既存のコードの中から新しいデザインパターン を見つけようと思えば、このような視点は必須である。



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