プログラマの神頼み | 悪態のプログラマ

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とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

プログラミングをしていると、「プログラミングの神様」が降りてきて、あっという間に出来てしまった、という人がいる。もちろん、これは「集中力の高まり」を文学的に表現しているだけである。しかし、本当にプログラミングの神様がいれば、と思うこともある。

怖いこと 」という記事に書いたように、システム開発では人間が予想しえないような問題が発生するものだ。どんなに対策をしても、どうしても不安が残ってしまう。結局、最後は神仏に頼りたくなる。

開発時だけなく、システムが稼動してからも避け難いトラブルは多くある。ハードウェア障害、外部ネットワークからの攻撃・・・。しかも、トラブルはなぜか続けて起こる。サーバー管理者等にも、神頼みしたくなった経験のある人は多いはずだ。

いや、神頼みできればまだよい。社会のIT化が進む中、日本人(自分も含め)の信仰心はどんどん希薄になってきているようだ。頭が「デジタル」な技術者にあっては、なおさらその傾向が強いのではないだろうか(※1)。一方で、システム開発業界の過酷さは増すばかりだ。この業界に、ストレスに耐え切れずに精神的なダメージを受けてしまう人が多いのも、「神の不在」と無関係ではないだろう。


つまり、日本のコンピュータ業界には神様が必要なのだ。八百万の神々が存在するという日本である。人間界に「ニーズ」があるのだから「担当窓口」の神様を決めてくれているはずだ。そう思って、調べてみると、ascii24.com にこんな記事を見つけた。

 システム安全、バグ退散! 関係者の尊崇を集める神社はその名も“電電宮”!!

電電宮は、京都嵐山の法輪寺の寺内にあり、電気電波の神様である「電電明神」を祀っているという。最初は冗談かと思ったのだが、ちゃんとした神社のようである(法輪寺 電電宮WikipediaGoogle Map )。

「出来る限りのことはやった。あとは祈るだけ」という方は、お参りしてみてはいかがだろうか。


ここからは宣伝。もし、電電宮まで行く余裕がないなら、「不具合退散 」ステッカーがある(※2)。効き目があるかって? とりあえず、PC 等に貼っておけば、自分が「不具合に立ち向かう姿勢」を表明することはできる。そうすれば、周囲の人にも気持ちが伝わり、開発チーム全体が良い方向に動き出すかもしれない。そう、お札というものは、貼るということ自体が重要なのだ。

また、社内ネットワークのセキュリティを願う方には「火内安全 」という姉妹品もある(※2)。「火」は「ファイアウォール」の意味だ。ネットワーク機器にどうぞ。


宣伝で終わるのもなんなので、最後にもう一つ。ハードディスクの高速回転によって効力を発揮するという、チベット仏教の呪符をご紹介。

 デジタル呪文でバグ退散!妖精現実さん

トップページには「このウェブサイトは、都合により、まもなく終了します。」とあるので、参照はお早めに(※3)。





※1
個人的な感覚であり、根拠はない。もちろん、結城浩さん のように信仰をもった方もおられる。なお、世の中には「アナログ」とは古いこと、「デジタル」とは新しいことみたいな妙な言葉の誤用があるが、ここでは、あえてそれに「乗っかって」いる(適切な言葉が見つからなかったので)。

※2
どちらも拙作だが、私も実物を見ていない。なぜなら高いから。というか、まだ誰も買っていないので実物はこの世に存在しない(2006/08/12時点)。お金に余裕がある人のみどうぞ。もちろん、ただのステッカーなので、神秘的な力はない。

※3
2006/08/12時点。サイトがなくなるという意味なのか、更新しなくなるという意味なのかは不明だが、質の高い記事が多いので残念だ。



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