キーボードを使おう その1 ~ ホームポジション ~ | 悪態のプログラマ

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入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

もう10年ほど前になるが、左右の人差し指だけを使って、すごい速さでコンピュータのキーボードを打つ人がいた。「北斗の拳」のケンシロウもかくあらんというような勢いであった。

思えば、最近は周りにそのような人も見かけなくなった。タイピング練習ソフトも充実しているし、皆、自分で体得しているのだろうか。

そんな時代に、こんなところに書くまでもないかもしれないのだが、今回はタイピングについて書いておこうと思う。プログラマにとって、タイピングが重要なスキルであることには違いないが、タイピング練習の研修をしてくれる開発会社も少ないだろうと思うからだ。


タイピングの基本となるのは「ホームポジション」である。ホームポジションとは、F のキーに左手の人差し指、J のキーに右手の人差し指をあわせ、キーボードに自然に手を置いたときの位置のことである。

タイピングで最も重要なことは、このホームポジションから、なるべく手を動かさないことだ。何かキーを押す場合は、原則として、ホームポジションから最も近い指を使う。

ただし、ホームポジションからは届かないキーもある。例えば、カーソルキー(矢印キー)がそうである。また、マウスを持つときにも手を動かさなければならない。そういうときでも、すぐにホームポジションに戻して、次のタイピングに備えることが必要である。

キーボードをよく見ると、F と J のキーに突起がついていると思うが、これを人差し指で確認するようにすれば、キーボードを見なくとも、確実にホームポジションに戻すことができるだろう(※1)。

このようなことに気をつけながら、タイピングを続けていれば、キーの配置などは指が勝手に覚えてくれるはずだ。


私がパソコンを始めたころは、周りにパソコンを使っている人もおらず、キーボードを見ないで打つなどという芸当は、テレビや映画でしか見たことがなかった。自分にはできない特殊な技術だと思っていた。

それでも、雑誌に載っていた、読者投稿のタイピング練習プログラムのソースコードを打ち込んで練習しているうちに(※2)、いつの間にか出切るようになっていた。人間、やればできるもんだと思ったものである。

今では、ゲームとしても楽しめる練習ソフト が沢山売られていて、初心者でも楽しくタイピングを身につけることができる。いい時代である。




※1
実は、キーボードによっては、この突起が D と K のキーについているものもある。F と J に慣れている人は、そうしたキーボードでは、ホームポジションを間違ってしまう(もちろん、逆のケースもある)。これはかなりのストレスなので、キーを取り外して入れ替えてしまう人もあるようである。

※2
当時は、付録の CD-ROM はもちろん、フロッピーディスクも無かった。データやプログラムは、音楽用のテープに保存していた時代である。



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