例えば、C言語の入門プログラム(ソースコード)の最初に出てくる、
#include <stdio.h>
という1行などは、典型的な例だろう。
このプログラムを初心者に説明する場合、
「1行目の "#include" ナントカというのは、プログラムを動かすためのおまじないだと思ってください。とりあえず、この行は無視して、次の行を見てください...」
といった感じで進めて行く場合も多いと思う。
つまり、「おまじない」とは、ソースコードの中で、説明したくない記述をうやむやにするときに使われる言葉である。
プログラムの処理の説明をする上で、その行にそれほど重要な意味があるというわけではない。しかし、その行を書かないとプログラムが作れない。とりあえず、意味が分からなくても、その通りに書いてくれ。そういった意味で「おまじない」と呼んでいるのだろう。
なぜ、説明をうやむやにするのか? それは、初心者に説明するにはレベルが高すぎるためである。また、説明すると話が長くなりすぎて、本筋が見えなくなったりするということもあるだろう。
会社の研修のような限られた期間の中では、「おまじない」の正体について、最後まで解き明かされずに終わってしまうことも多い。
だからといって、勘違いしてはいけない。「おまじない」は、決して理解しなくてもよいというわけではない。初心者のレベルに合わせて、説明が棚上げにされているというだけであって、プログラミングをする上で、決して不要な知識だというわけではないのだ。
つまり、自分が受けた研修中に教わらなかったとしても、いつかは自分で勉強して、理解しなければならない事柄なのである。
逆に言えば、「おまじない」の真の意味が理解できるかどうか、ということは、初心者のレベルを脱出できたかどうかのひとつの試金石になるだろう。
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