プログラミングのおまじない | 悪態のプログラマ

悪態のプログラマ

とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

コンピュータには不似合いと思われるかも知れないが、「おまじない」というコンピュータ用語(?)がある。この言葉は、初心者にプログラミングを教えるような場合に使われることが多い。

例えば、C言語の入門プログラム(ソースコード)の最初に出てくる、

 #include <stdio.h>

という1行などは、典型的な例だろう。

このプログラムを初心者に説明する場合、

「1行目の "#include" ナントカというのは、プログラムを動かすためのおまじないだと思ってください。とりあえず、この行は無視して、次の行を見てください...」

といった感じで進めて行く場合も多いと思う。

つまり、「おまじない」とは、ソースコードの中で、説明したくない記述をうやむやにするときに使われる言葉である。

プログラムの処理の説明をする上で、その行にそれほど重要な意味があるというわけではない。しかし、その行を書かないとプログラムが作れない。とりあえず、意味が分からなくても、その通りに書いてくれ。そういった意味で「おまじない」と呼んでいるのだろう。

なぜ、説明をうやむやにするのか? それは、初心者に説明するにはレベルが高すぎるためである。また、説明すると話が長くなりすぎて、本筋が見えなくなったりするということもあるだろう。


会社の研修のような限られた期間の中では、「おまじない」の正体について、最後まで解き明かされずに終わってしまうことも多い。

だからといって、勘違いしてはいけない。「おまじない」は、決して理解しなくてもよいというわけではない。初心者のレベルに合わせて、説明が棚上げにされているというだけであって、プログラミングをする上で、決して不要な知識だというわけではないのだ。

つまり、自分が受けた研修中に教わらなかったとしても、いつかは自分で勉強して、理解しなければならない事柄なのである。

逆に言えば、「おまじない」の真の意味が理解できるかどうか、ということは、初心者のレベルを脱出できたかどうかのひとつの試金石になるだろう。




■関連記事
簡単フレームワーク・プログラミングの罠



C言語プログラミングレッスン 入門編―ANSI対応
結城 浩
ソフトバンククリエイティブ (1998/11)
売り上げランキング: 107,417
おすすめ度の平均: 4
4 C語のイロハ
4 C語のイロハ
4 入門に最適!


JIS規格対応 標準C#入門
JIS規格対応 標準C#入門
posted with amazlet on 06.04.09
矢沢 久雄
ソフトバンク クリエイティブ (2005/11/29)