クレーマー、クレーマー 続 | 商船裏方日記

商船裏方日記

船の世界に入って数年。
失敗珍談は数知れず、それでもめげずにひたすら前進を続ける中年です。
そんな世界を中心に裏話を含めて紹介して行きます。

-前回からの続き
それは修理が無事終わったと思って工事完了レポートを回した途端にかかってきた電話から始まり、話す間もなく客は噴火。
「黙って値引きしろ!」と絶叫された時、少しずつ狂い出す歯車…


南極:「まずですね、黙って御値引きは出来ませんが、実際現場で何が…」
ク:「やかあしい。シバキ回すぞ!」--ガチャんっ!

もぉぉぉ!怒
怒らせるのが狙いだろうけど、見事成功だよ!、と心で雄叫び。


事実は、こうでした。
技師:「帰ろうとしたら、SI(工務監督)からチョッサーが話あるって言われて。行ったらレーダー直してくれ、って言われて。それで見たらマグ(Magnetron)だったし、簡単だから直せるって言う話で。だってXですよ?X-Band動かなかったら即時出港停止命令でてもおかしくないですよ?」
*X-Band=義務レーダーの一つ。通常S-Bandと二つあるが、Xは船が遭難した時に救命艇から発するSARTに反応する周波数帯のため、特に重要。

技師:「おまけに直さないと、工事完了所にサインくれない勢いだったし。」


…やっぱり現場での口頭発注…。
向こうは事実を知ってて、ワザと恫喝して値引かせようって時の典型的なやり方です。

まぁ、実はこの後もやり取りあって、ひとしきり駆け引きして出精値引き若干で落としました。
あんまりボケカス言われたのでちょっと言い返してしまいましたが…それ以上はここでは詳しくは書けません。汗


最初の頃って、若いのもあってかなりやり合って、言い負かせてしまったりする事もあったのですが、メーカーがそれやったら駄目なんですよね…。
老人になって大分慣れてきたので、駆け引きで対処出来るようになりましたが、でも心中穏やかではないですよね…。


で、映画を見た訳です。
ちなみにですね…この映画の題名「クレーマー、クレーマー」のクレーマーって、今まであの「Claimer」だと思ってました。

違うんですね。笑

原題:Kramer vs. Kramer (被告クレイマー対原告クレイマー)。
クレーマーさん、と言う人の名前でした!