日本プロ野球界史に残る「怪物江川卓」

 

太く短く鮮烈な印象を残した大投手だが、彼のピークは高校二年生だったという説がある。

本人も「一番球が速かったのは高1~2頃」と述べている。

 

これは同じく松坂大輔にも囁かれている説。

 

「肩は消耗品」との定説が囁かれだした時代の前に活躍した両投手。

 

お互い甲子園で連戦連投(松坂は17回250球!)がたたり、プロ入り後にはすでにピークアウト・・・?

 

当然アスリートは経験を積み総合力のピークは数年後に「完成」することはわかるが、こと球速やキレのピークは江川も松坂も肩を痛める前にあったことは明白。

 

これがボクシングにも当てはまるのでは?と思ったのが大橋秀行デビュー戦を見返したとき。

 

19歳大橋の繰り出すパンチの切れは凄まじく、防御勘も完璧だった。

 

実際プロ入り3~4戦。倉持正、田中正人戦を生観戦したが、文字通り目を見張る切れ味だった。

 

その後、コリアンファイターに飲み込まれ、対策としてショートパンチにも磨きをかけた大橋。

 

総合力では世界王者時代が強いと信じたいが、過酷な減量(当日計量)&激闘で持ち前の切れ&カウンターのセンスは目減りしたにも思える。

 

現在は前日計量、様々なメソッドによりアスリート年齢は飛躍的に伸びているが、当時は27歳頃ではほぼ引退の時代。

 

やはりことパンチの切れ、パワーのピークは大橋が20歳頃の時かな?と感じる。

 

また具志堅用高も伝説のセサール・ゴメス・キー戦(未見)や戴冠時のグスマン戦がパワー、切れのピークだろう。

 

早熟の天才オリバレス、タイソン、辰吉らもパンチングパワーのピークは世界王座戴冠前であったことは(相手レベルが低いと強さが増してみえることを鑑みても)間違いないところ。

 

名ボクサーはキャリアを積み、無駄な動きをそぎ落とし、過度にリミッターを外すことはなくなる。

 

皆さんはゲンナディ・ゴロフキンの世界王者時代に何を感じるだろうか?

 

屈強な身体に強固なガード&硬質なパンチ。

 

その硬いパンチを肩の可動域広さを生かし、異次元角度で飛ばしてくる。

 

そして基本的な左ジャブ、見ているだけで痛そうな左レバー。

 

歴史に残るパンチャーだが、パンチ&身体のスピードを感じる人は少ないだろう。

 

一度アマ時代のゴロフキン映像を観て欲しい。

 

そこにいるのはスレンダーにも思えるゴロフキンがスピード豊かなパンチを繰り出し躍動している。

 

またゴロフキンと共にミドル級歴史に燦然と輝くマービン・ハグラーの全盛時代は、無冠の帝王と恐れられていた戴冠前だ。

 

ハグラーが軽やかに脚を使い、スピード豊なパンチを放つ様は恐ろしくなるほど。巧く強くそして速い。

 

「肩は消耗品」をボクシングに当てはめるとやはり被弾ダメージの積み重ねでボクサーのスペック(パンチへの見切り、耐久性、自身のキレ)は目減りしていく。

 

自らのピーク時に大勝負をかけられるボクサーは稀だが、この機会をつかむことは実力次第で可能だ。

 

そして当たり前だが「打たせずに過酷な減量をしないこと」

 

また調整試合で二線級相手との対峙は必須アイテム。

 

「リカルド・ロペスが一番強かったのは12歳ころ(大鵬健文談)」

 

深い言葉だな。