米国時間29日アリゾナ州フェニックス・フットプリントセンターにて行われたWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ 

 

ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)VSジェシー・ロドリゲス(アメリカ) 

 

絵に描いたような「新旧交代劇」 

 

これ程熱い試合内容になるとは思いもよらなかった。 

 

これは試合を作ったロドリゲスに負うところが大きい。 

 

この試合エストラーダも決して不調ではなかった。 

 

スーパーフライとは思えないフレームから重いパンチを繰り出し、予想された相手のスタートダッシュに対抗。 

 

ただロドリゲスは予想をはるかに超えてきた。 

 

スピード活かしたスタイルから積極的にパンチを繰り出し、エストラーダの攻撃力にも怯まない。 

 

ブロックすると即座に速いコンビを入れる。 

 

左を突き刺し、追い込んで左を上下へ。 

 

3Rは左→右フックを俊敏なサイドへの動きを取り入れヒット、エストラーダをグラつかせる。 

 

そして4R左アッパー→左ストレートでエストラーダから先制のダウンを奪う。 

 

やや足が揃っていたが、実に芸術的なコンビだった。 

 

再開後、腰を落としロドリゲスは倒す気満々、右フックで二度目のダウンを奪ったが、裁定はスリップ。 

 

ただエストラーダも意地を見せる、攻めに逸るロドリゲスへ右ストレートを当てダウンを奪い返す(エストラーダの左足の踏み込み大きくこれはキャリア。ただダウンで間違いない) 

 

やはり「メキシカン同士」熱い戦いはお約束。 

 

ただ王者の意地もここまで。 

 

ロドリゲスの手痛い反撃にダメージはエストラーダの方が食らっていた。

 

ロドリゲスは7Rは攻撃の後、あえてエストラーダにパンチを繰り出させ、完璧な防御(ブロックとポジショニング)で防ぐ。 

 

そしてエストラーダの攻撃の中に左ボディーアッパーを抉りこむ。 

 

この一発でエストラーダは悶絶。 

初の10カウント負けを喫した。(7R3:00KO) 

 

パンチはもとよりとにかく身体のスピードが違った。 

 

あの俊敏なサイドへの動きからのパンチにエストラーダは対応出来ず。 

 

自身渾身パンチをブロックされ、即座に速いコンビが襲ってくる。 

 

エストラーダは削られる一方。 

 

またパワーではエストラーダが上回っていたが、ロドリゲスのパンチにも意志が感じされ、必要十分なパワーが乗っていた。 

 

従来のブローにない「倒すパンチ」を用意してきた。 正に「キラー・バム」

 

この出来を見ると24歳ロドリゲスの活躍はバンタム級にもあると思わせる程。 


ただ自身耐久性を考えると、あくまでもスピードとサイドへの動きを活かした戦法に終始すべき。 

 

5Rの手痛い返しを食らったので「勘違い」もなかろう。 

 

さて両者の間には「再戦条項」が設けられ、エストラーダも早くも決意を口にしている。 

 

5Rのシーンが無ければ、再戦の意味を見出すのは困難だが、「名勝負数え歌」の可能性も残しているので・・・。 

 

さて実現可能性は低いが、我が日本勢とロドリゲス統一戦は? 

 

同じスピードで戦う田中恒成との対戦は高レベルになるが、厳しいな。 

 

あえてスローで対峙する井岡も対策されると大差が付きそう。 

 

まずは井岡のマルティネス戦の出来に注目。 

 

海外ファンから待望論が出るくらいの内容に期待したい。