稀代の怪物力道山マニア?の自分にとり 

 

待望の本が出版された「力道山未亡人」

著者は沢村忠本で話題を呼んだ細田昌志。 

発売同時に即バイト! 

 

一気に読み終えた。 

 

結果田中敬子ではなくやはり主役は力道山。 

 

本に登場する人物は政財界、裏社会の大物はじめ、後に天下を取るG馬場や猪木といった面々だが、力道山から見れば子供に等しい。 

 

力道山に関わった人たちは、皆その余りにも強烈な光に我を失う。

 

あるものはそり立つ城壁の高さに恐れおののくが、力道山という劇薬に取りつかれたものは、贖い高みを目指し続ける。

 

また城内に呼び込まれたものは、己の身も顧みずに城下に広がる光景を忘れることが出来ない。

 

猪木などは正に力道山のコピーに過ぎず、当然コピーが本家を超える事など出来ない。 

 

この本の主役が力道山であることは間違いないが、彼の死後敬子夫人の周りに群がった面々への見地が無かったので、その項はとても興味深く読めた。 

 

また敬子夫人から提供された貴重な写真を見るだけでもこの本を買う価値が有る。 

 

そしてボクシングファンにも興味深い頁。

 

昭和38年6月に1700人の招待客を招き行われた世紀の結婚式。

 

出席したボクサーの面々が記されていた。 

 

白井義男、ファイティング原田、青木勝利、勝又行雄、関光徳、米倉健司、辰巳八郎 

 

また昭和50年、東スポに掲載された敬子夫人の「猪木決別宣言(破門)」は記者の創作だったという日本のプロレス史が変わる暴露話。※この宣言後即「和解」 

 

ただ流石細田昌志本。 

 

最後まで読むとやはりこの本の主役に躍り出てくる田中敬子さん。 

 

数奇な人生を生き抜いて来た敬子さんもまた怪人だった。 

 

恐るべし男力道山。 

 

最後まで一気に読み、再度読むであろう好著だが、「力道山存命であれば北朝鮮の拉致被害が無かった」とは筆が進み過ぎている。

 

この点は強く批判しておきたい。

 

3年前の拙ブログ「和製ヘビー級王者」育成を夢見た力道山。計9回にわたって記しています。