自分の中で理解不能の事例が起きた。 

 

元世界バンタム級暫定王者で現WBO世界バンタム級1位レイマート・ガバリョ(比国) 

 

武居へ挑戦のネクストサークルに立っている強打者だが、自国マニラで調整試合として選んだ健文トーレスに1RTKO負け。 

 

まず健文トレースが現役を続けていたことに驚き。 

 

自らの不祥事でてっきり選手活動を終えていると思っていた。 

 

健文は幾つだ?(36歳) 

 

まさに時空を超えた番狂わせに理解が追い付かない。 

 

UPされた動画を見た。 

 

1R、ガバリョも決して相手を舐めておらず集中力も感じる。 

 

先手を取ったのはガバリョ。 

 

テンプルへ左フックヒットからコンビを放ち、左ボディーを入れる。 

 

ただその直後に落とし穴。 

 

健文に左フックを合わされ、たたらを踏む。 

 

詰める健文の右→左フックでダウンを喫するガバリョ。 

 

落ち着いて立ち上がったガバリョに対し、左フック相打ちから一気に詰め、またも左フックでダウン追加。 

 

足元覚束ないが、当然続行。 

 

ガバリョはロープ際でガードを固めるが、容赦ない健文の連打が続く。 

 

最後は右アッパーから左フックを当て三度目ダウンで終了宣告。 

 

近年でもまれな大番狂わせというか記憶にもないほどの結果。 

 

世界戦目前のトップランカーが噛ませ犬的な36歳に初回KO負けを喫するとは・・・。 

 

今更ながらメキシカンと不用意な左フック打ち合いをすることは危険だと思わされた驚愕の結果。 

健文トーレス。 

 

名選手ヘルマンと日本人の間に生まれたボクサー。 

 

クーヨ・エルナンデスの技術も偉大な父を通じて健文に流れている。 

 

ガバリョ戦でも高いガードは正にクーヨイズム。 

 

「現役」時代はトーレスへの思い入れもあり、応援していたが残念なブランクを作ってしまった。 

 

今回まさかの狂い咲きの様なカムバック。 

 

サンプル例として違うのだが、トニー・アヤラしかり自身を律していたら才能通りの成功を収めていたのかも知れないと思うボクサーの一人。 

 

10代の頃の健文は本当に才能に満ち溢れていた。 

 

この勝利で健文は世界ランク入りが約束されたが、日本人世界王者から対戦相手に選ばれることはない。 

 

ただこの驚愕の結果は今年度最高の「番狂わせ賞」に値する。 

 

久しぶりに観た健文の雄姿。 

 

ヘルマンや大関さん諸々のことを思い出し胸が熱くなった。 

タパレスはプロモーターの思惑通り1RKOで復活。