5月6日に迫った東京ドーム4大世界戦各カード試合予想
【WBA世界フライ級タイトルマッチ】
ユーリ阿久井政悟(守安)VS桑原拓(大橋)
4大世界戦初戦を飾るカード。
阿久井初防衛戦の相手は、過去(2021年7月)痛烈KOで斬って落とした桑原拓。
当時岡山から敵地へ乗り込んできた阿久井。
1R見事な右カウンターでダウンを奪い、その後手負いの桑原の反撃を浴びるシーンも有ったが、プレッシャーをかけ最終またも右で倒し、桑原を担架送りへ。
阿久井は勢いそのまま世界王者へ駆けあがり、桑原も再起後は逞しさを加えたスタイルへ変貌を遂げている。
一度完全決着がついているとはいえ、それなりに興味深いカード。
その昔輪島功一はアルバラードに病院送りにされたが、再戦で見事リベンジを果たした。
さて桑原は「奇跡」を起こせるか?
挑戦者は持ち前のスピードボクシングに積極性も取り入れたスタイルで旺盛に攻めるだろうが、独特の当て勘、カウンターを持つ阿久井は相手の積極策は大歓迎。
またスピードは桑原だろうが、対抗できる一定の速さが阿久井にある点は大きい。
また足を使う相手へのプレッシャーのかけ方に長けている阿久井。
試合のいずれかのタイミングで阿久井の右が当たり痛烈なダウンシーンがあるだろう。
ダウンを奪った阿久井の明白な判定勝ちで初防衛。
念願の海外進出へ王手をかけるとみる。
【WBA世界バンタム級タイトルマッチ】
井上拓真(大橋)VS石田匠(井岡)
前戦キャリアハイのKO防衛で「覚醒」した拓真。
相手は1位石田。
国内トップクラスの実力者だが、世界レベルでは勝ち抜ける武器には欠けていると言わざるを得ない。
数々の国内強豪相手を退けてきた拓真にとり、石田は恐れる相手ではない。
1Rは様子見の拓真相手に石田が左と足でポイントを奪うだろうが、徐々に拓真ペースとなり、微差ながらポイント差が開いていく。
ペースを握った拓真から流れを取り戻すのは至難の業。
あれよあれよという間に拓真のラウンドが続き、大会場でモチベの高い拓真の連打を浴びるという印象的なシーンもあるだろう。
予想は拓真の明白な判定勝ち(117-111位か?)
石田も見た目以上に打たれ強さ(竹のようにしなう)も有る。
仮に拓真が倒すことが有れば、それこそ「覚醒決定」だ。
【WBO世界バンタム級タイトルマッチ 】
ジェイソン・モロニー(豪州)VS武居由樹
4大世界戦の中で最もスリリングなカード。
ある意味裏メインともいえる。
特筆する武器はないが、全ての面が及第点であるモロニー。
そのスタイルは教科書的ともいえる。
対し武居は従来のボクシングセオリーに当てはまらないオンリーワンスタイル。
スタンスの広いサウスポースタイルで半歩、いや一歩先のロングレンジから意表を突く飛び込みざまに得意の固い右を飛ばしてくる。
この右も独自の軌道とタイミングが有り、武居の対戦相手は全て最終ラウンド終了のゴングを聴くことがなかった。
ただモロニーは防御への意識、危険回避に重きを置いている。
武居の飛び込みも想定済。武居打ち終わりの体勢の悪さにリターンを当ててくる。
但しあの飛び込みで武居の頭が気になり、ブラインドから飛んでくる右フックに慣れるのには時間が必要。
故に武居の勝機は前半に限られる。
正に「パンチャーズチャンス」に賭けるしかない。
その為には意表の更に裏をかくタイミングでの飛び込み。
前半に王者にダメージを与えられなければ、モロニーの技巧の前に空転し大差でモロニーの手が挙がるだろう。
気になるのは武居のキャリア不足&(減量苦)バンタムでのパワー目減り。
やはり前半勝負しかない!
ただこの倒すか空転かの構図は正に世界戦だ。
実に興味深くスリリング。
予想はモロニーの大差判定勝ちだが、ダグラスVSタイソンの番狂わせ再現を武居に期待したい。
モロニーのスパーリングパートナーは何と堤聖也!