国内のみならず海外にもインパクトを与えた中谷潤人のバンタム級王座獲得。 

 

世界王者からのパンチ被弾は数えるほど。

 

正に完全試合でタフで地力のあるサンティアゴを倒した。 

長身技巧派ボクサーが短躯ボクサーを空転。 

 

全体技術レベルという観点では黎明期とも言える70~80年代に多く見られた「日本人挑戦者が長身ラテン技巧派に空転」という構図の逆バージョン。 

 

目の前の光景が信じられない思いだ。 

 

もともと相対的にパワーで劣る日本人拳闘界には技巧派が生まれる素地はあった。 

 

事実矢尾板貞雄、小林弘、渡辺二郎、川島郭志らは当時世界トップクラスの技巧を誇ったが、あくまでも突然変異的な存在だった。 

 

現在の日本拳闘界の技術的底上げ感は相当な物。 

 

但しまだネグロイド(黒人)特有のスピード豊かな攻撃に拮抗出来る技術が有るかというと未だ向上の余地があるし、ラテンのサイドステップ、クロスレンジでの左フック応酬には劣るが、軽量級界隈での技術レベルは日本はトップクラスと言える。 

 

そこでも抜きん出ているのが中谷潤人。 

 

規格外長身サウスポーというある意味変態ボクサーが硬いパンチを放ってくるのは、バンタムでは反則級。 

 

現在バンタム級トップは実績を鑑み、エマヌエル・ロドリゲスだが、ロドリゲス含めてバンタムで中谷を破る可能性のある選手が見当たらない。 

 

しいて言えば比嘉大吾? 

 

あの勇気あるアタック敢行で・・・。やはり無理か。 

 

自分は一つのクラスに留まり長く王座を守っていく王者に敬意を表すタイプだが、6階級制覇を公言する中谷潤人に対しては別。 

 

バンタムも統一戦が進まなければ、3~4戦で卒業だろう。 

 

その先には例の夢のカード。 

 

観たいような見たくないような。