日本ボクシング連盟前会長の山根明氏が逝去。
残念ながら晩節を汚してしまった形となった山根氏だが、自分は山根氏には全く負の感情はなかった。
低迷していた日本アマボクシングを復興するには山根氏の様な一点突破というか絶対君主も必要だったと強く感じる。
当然氏の様な権力により歪が生じることは組織なら当たり前。
山根氏が会長に就いたのは2010年(2018年辞任)だが、2012年ロンドン五輪で男子ボクシングは村田諒太金メダル、清水聡銅メダルという空前の戦績を上げた。
特に清水の「判定負け」が覆ったことは以前の日本ボクシングでは考えられなかったし、村田が決勝で微差の判定をものにしたことも日本ボクシング連盟の力を感じた。
一番は選手の頑張りであることは100%間違いないが、やはり母体である組織の力、ロビー活動も必要。
魑魅魍魎の五輪競技は綺麗ごとだけでは乗り切れない。
そこを山根氏は愚直に非常にわかりやすく立ち回った。当時のAIBAラヒモフ会長にも積極的にアプローチ。
あのラヒモフに・・・・なかなか出来ることではない。
結果はトータルで裏目に出た(選手のモチベ)とは思うが、村田の決勝のセコンドに山根氏の息子が就いた。
山根氏の狙いは「Mr.YAMANEの息子がセコンドに居る」とジャッジに思わせることだったらしい。
試合後村田が自コーナーに敵がいたと吐き捨てた?との噂も出たように失敗だったが、山根氏の狙いも解からなくもない。
でもあの舞台に素人出したらダメだな。 これは氏の良くないところが出た。
2018年「助成金不正流用」らに端を発した騒動の際に大会時の山根氏の椅子が豪華とか好きなお菓子が用意されているとか実にどうでもよいことまで報道された。
確かに忖度判定は有ったことは確か。
決して「選手ファースト」ではなかった点は負の部分だが、この競技を愛していたことは間違いない。
功罪相半ばした山根氏だが、自分は「水清ければ魚棲まず」がモットー。
現在のボクシング連盟は公益社団法人となった様に見事な手腕でケチのつけようがない組織だ。
山根氏の手法は現在では受け入れられないのは理解できるが、自分は山根氏や先日逝去した田中英壽理事長のことは好きだった。
男山根明氏。熱く生きた84年間の人生。
ご冥福をお祈り申し上げます。