先日89年の生涯を閉じた石原慎太郎氏。
1971年10月23日、氏は大場政夫二度目の防衛戦のTVゲスト解説を務めた。
当時38歳、稀代の天才は大場政夫戦で何を語ったのか?
印象に残るフレーズを再現してみる。
※当時の価値観から発せられている旨ご承知おき下さい。
「(日本人世界王者)3人も立て続けに敗れているので(大場に)食い止めてもらいたい」
2R「(1R)は大場5-4 ジャブと言うかストレートが良く当たった」
「(カバネラは)打たれ強そうなので大場君も打っても打っても倒れない時に嫌にならない事」
「(カバネラの)左ボディー打ちは良いね」
3R「(3Rのカバネラの心境は)日本シリーズで3敗した(阪急)ブレーブスの心境かな(笑い)」
5R「(大場は)非常に鉄則にかなったボクシングをしている」「見ていて綺麗ですね」
「カバネラは打たれ強いね」
6R「(カバネラの思い切った右に)危ないな~」
「大場君は(左フックではなく)左ジャブで入るべきですね」
「過去に負けた3人のチャンピオンに比べ、安心して観ていられる」
7R「(二人は)非常に対照的なボクサーですね」
8R「(カバネラのタフネスに)二回三回と倒さないとなかなかKOはないね」
9R「(大場は)技術的にも高い。チャンピオンらしいジェネラルシップがある」
「1回倒したいですね」
「まだまだカバネラはスタミナ有りますね」
「暖かい国のひとはボディー弱いのでは?」
10R「(カバネラの奮闘に)プロ根性に徹していますね」
11R「(大場の右に)あれだけクリーンヒットして倒れないだからね」
12R「フェザー級より上のクラスだったらあれだけ打ったら倒れているでしょう?」
「(解説田辺清氏へ)これだけ打って倒れないと大場君は迷いませんか?」
「(カバネラの)ボディー少し怖いですね」
14R「(カバネラは)余りスピードは落ちていない。大場君は止まって打ち合わない方が良い」
15R「(大場は)今まで通りのリズムで行きたい。急にエキサイトする必要はない」
大場勝利後
「安心して観ていられた。圧倒的な勝利に久しぶりに溜飲が下がった。
「フライならでは。非常に軽い心地の良いリズムですね」
「(大場は)まだまだ上げ潮でしょうね」
石原氏のボクシングへの尊敬の念を感じた解説だった。
大場は絶好調だった。スタートから繰り出した左ジャブを一体何発当てたのだろう。
これだけ大場の左を見ると肩を入れ、発射角度を変えいかに左にバリエーションを持たせていたかが分かる。
大場も言うように課題の減量が上手く行った為、足と左は最後まで止まらなかった。カバネラも間違いなく世界1位に相応しい実力者。実に打たれ強く時折繰り出すパンチはパワフル。
時代は6オンス。見ていて冷や冷やした。
大場は時折現代にも通じる左レバーも見せていたが、もう少しボディーを攻めたかった。
ただこの時代では同パンチのメソッドは確立していなかったという事か。
大場と言えばアモレス、チャチャイ戦の激闘ばかりがクローズアップされているが、このカバネラ戦は大場のベスト試合のひとつではないだろうか。
この試合を見ると大場の無限の可能性を感じる。
是非皆に見てもらいたい試合だ。
※ゲストの長嶋茂雄氏と石原慎太郎氏。50年後お互いの息子がコンビで数字持っているとは!😅
