アルゼンチンブログ第三段(最終回)は、アルゼンチン歴代ベスト10を選出。

 

1位:パスカル・ペレス 

世界王座1団体。クラス8階級の時代に9度の防衛。

五輪金メダリストでもある。

技術、パワーともにアルゼンチン史上最強の選手且つ世界フライ級史上最強選手のうちの一人。

150cm今ならミニマムやライトフライで戦っていただろう。

92戦84勝(57KO)7敗1分

最軽量クラスの戦績ではないな。

 

2位:カルロス・モンソン

規格外のリーチとフィジカルを併せ持った選手。

右ストレートは「ライフル」の異名を持つ。

あのシンプルな戦術で世界ミドル級王座14度防衛。

いかにモンソンが抜きんでていたことの証。

世界ミドル級史上でもトップクラスの選手。

89勝(61KO)3敗9分1NC

終ぞ底を見せずに世界王者のままグローブを置いた。

 

3位:ニコリノ・ローチェ

アルゼンチン史上のみならず、最も優れた防御技術を有していた文字通りの「アンタッチャブル」

今見ても正に奇術の様にパンチを外す。

実質的なKO負けは皆無。

117勝(14KO)4敗14分

 

 

4位:ビクトル・ガリンデス

短躯ながら圧倒的なフィジカルとパワーでライトヘビー級王座を制し、10度防衛。

パワーだけではなく、スピード、俊敏な身のこなしと防御技術も有していた。

タイソンにつながるようなスタイルだった。

55勝(34KO)9敗4分

 

5位:セルヒオ・マルチネス

危険回避能力に優れたサウスポーの技巧派。

その上質なテクニックは、粟生など多くのボクサーに影響を与えた。

単なる技巧派ではなく、絶妙のカウンターで派手な結末を演出することもできた。

マルチネスの評価は後年さらに高まるのでは?

52勝(29KO)3敗2分

※現役

 

6位:サントス・ラシアル

一見地味ながら地力が有り、この選手も終ぞ底を見せなかった。

79勝(30KO)10敗11分1NC

この戦績の中には、イラリオ・サパタ、ヒルベルト・ローマンを下した試合も含まれる。

 

 

7位:フリオ・セサール・バスケス

攻撃力。左パンチに特化したファイター。同時代のマルチン・コッジと同タイプだが、右の使い方もうまく

打たれ脆さの合ったコッジよりも評価は上回る。

ジュニアミドル級王座10度防衛の中には、巧手ロナルド・ライトから3度ダウンを奪い勝利(判定)した試合も含まれる。

 

8位:オマール・ナルバエス

サウスポーの技巧派で世界二階級制覇。長らく王座を守った。

当時はマイナーの論もあったが、WBO王座(フライ)を計16度防衛。

また同スーパーフライ王座もあっさりと手にし、11度防衛。

SF王者時代無双のドネアに挑み判定まで持ち込む危険回避能力にたけた技巧派。

世界王座計27度防衛という規格外の戦績。

井上尚弥に瞬殺されたが、あの試合は別枠で考慮すべき。

47勝(25KO)3敗2分

 

9位:オラシオ・アカバリョ

皆から突っ込みが入りそうだが、クラシカルボクサー好きの自分はアカバリョを推す。

フライ級最強パンチャー海老原の2戦2勝。

これは何れも海老原負傷でベストではなく、当時アカバリョの評価は高くなかった。

ノンタイトルとはいえ、幻の王者田辺清にも完敗している。

モノクロフィルムで戦うアカバリョ。

小さなサウスポーの軽業師。実にやりづらいが、迫力には欠ける。

ただ戦国時代であった1960年代を戦い続け、通算戦績75勝(34KO)2敗6分

我々が察知できない強さがあったと信じている。

 

10位:オスカー・ボナベナ

コッジ、マイダナ、マティセらを退けて、無冠のボナベナを選出。

179cmながら体重無制限のヘビー級で暴れまくった。

彼のハイライトは、アリ戦。

セオリー無視の喧嘩殺法で何度もアリを追い込んだ。

最後はアリの神通力に屈したが、まさにロッキーさながらの闘いだった。

フレイジャーとも2度戦い、勝てなかったが初戦では、見事なワンツーと追撃の左フックで2度のダウンを奪っている。

フレイジャー、ロン・ライルの強打にもKOされなかった様に強靭なフィジカルの持ち主だった。

悲劇的なエンディングを迎えてしまったボナベナ。

是非映画化して欲しいほどのドラマチックな戦士だった。

 

58勝(44KO)9敗1分け

 

 

小柄軽量級ボクサーのイメージも有るが、クルーザー、ライトヘビー級王者。

また複数のミドル級制覇者も輩出しているアルゼンチン。

今後も闘争心溢れるこの国は、我々を楽しませてくれるだろう。