人類最強の男と言われて思い浮かぶのは?
ボクシング支持者としてはマイク・タイソンと言いたいが、自分の中では植村直己氏で揺ぎ無い。
小学生の時に読んだ氏の著「北極点一万二千キロ」
幼少の自分でも読みやすく、何度も読み返した。
小学校時代に高尾山~陣馬山まで友人たちと一気に「制覇」したが、皆自身に植村直己を憑依させて??行脚したものだ😊
世界初の五大陸最高峰登頂者。
植村直己の心技体は神の域に達していた。
人類最強の男は植村直己氏で間違いない。
先日改めて人間の強さを知る快報が届いた。
世界一過酷と言われる「ヴァンデグローブ単独無寄港世界一周ヨットレース」で白石康次郎がアジア人として初めて完走した。
スタートしてわずか6日目にメインセールが破損し、通常なら皆リタイアを選択するところだが、白石は不屈の精神力でメインセールを修理。この修理期間は実に6日間にも及んだ。
当然最下位近くに沈んだが、それから何と16位まで追い上げ見事完走。
計94日間単独無寄港という過酷さと共にこの修理期間の6日間を貫徹する精神力って・・・。
自分なんか例えば釣り船で仕掛けが絡まった時のリカバリーでもメンタルやられ、作業が雑になるダメ人間。
確かに多数の支援者やチームの為という原動力は有るだろうが、この白石の冷静沈着な素質は、冒険者にとり必須。
彼も最強人類のうちの一人だ。
ちなみにメインセールにスポンサー「DMG森精機」のロゴが大きくプリントされている。
森精機には弊社もお世話になっており、同社機械も自分は販売することが有る。
WECレースに参戦しているポルシェチームのスポンサーなど、非常にスポーツ文化に理解のある企業だ。
6月に日本に戻る白石艇を是非拝見したいものだ。
ところでボクサーの強さって何だろう。
確かにピーク時の破壊力を鑑みるとタイソン最強説に異論はないが、ホリフィールド戦の様に自分の攻撃パターンが遮断されると精神崩壊してしまうタイソン。
これに対し1R痛烈なダウンを奪われ、右足首捻挫を負いながら逆転KO勝ちをした大場。
また序盤、眼窩底骨折したが相手に悟らせずに紡ぐようなゲームメイクした井上。
アジア人では到底及ばないスピード、切れを持ちながら形勢不利で試合を投げてしまい、そのままフェードアウトしていくアフリカンもいる一方、我国には医者が交通事故並みと称したアゴの骨折を負いながらも最後までリングに立ち続けた男もいる。
何を持って最強と論じる事は難しいが、基本は1対1。目の前の相手を総合的に凌駕し乗り越えていく競技。
心理面のタフさが大きなウェイトを占めているのは間違いない。
今回の白石康次郎の快挙の一方、優勝者(ヤニック・ベスタベン)なんて怪物だろう。レース中の睡眠時間は1時間ないという。
欧州の一部の国では「自転車選手になれなかった者がサッカー選手となる」という言葉も有る。
まだ我々が知らない最強人類がいるのだろう。
人間が故の心の強さと弱さ。これが映し出され、自己投影されるという点も競技観戦の妙である。