佐野勝治。

 

このフェザー級ボクサーの名を初めて意識したのは、ホープ安里義光との対戦(1980年10月)

 

KOを期待された安里だが、佐野との対戦は判定まで粘られた。

 

試合後、協栄ジム金平会長が「鉄のアゴだ」と佐野のタフネスに呆れていた。

 

さすが先代。相手選手までプロデュースしてしまうとは😊

 

名門笹崎ジムの栄華も今や昔。

 

佐野は格上やホープから声がかかるという(現代でいうところの)Bサイドでの立場が多かった。

 

ちなみに安里とは1年後再戦し、またも判定まで粘っている。

 

この一戦が佐野のキャリア唯一のタイトルマッチだった。

 

王座挑戦に失敗した佐野は引退したが6年後、突如再起をする。

 

ここからの佐野の確変ぶりは目を見張った。

 

まず手始めに格下相手に3RKOで再起すると元日本王者チバ・アルレドンドを判定で下し、引退に追いやった。

 

そして次はこれも難敵の佐久間政勝をも下し、再起後3連勝を飾る。

 

このころの佐野はKO率からは信じられないほどのパンチ力と殺傷本能の様なものを感じた。またベースとなる技術も揺ぎ無かった。

 

日本ランク(フェザー級)も3位まで上昇。

 

そして次の試合で何と飯泉健二との対戦。

 

この試合も現地で見ていたが、凄かった。

 

リングに登場した佐野。胸板が厚くスタミナのありそうな体躯。まるでメキシカンだ。

 

飯泉とはまた違ったフィジカルを感じた。

 

1R開始早々佐野は飯泉に襲い掛かる。

 

いきなり繰り出した右ストレートがヒットし、飯泉の左目がこの一発で腫れあがる。

 

追撃も激しかったが、サウスポー飯泉の右フックで佐野はダウンを喫する。更に同じ右フックでこのラウンド二度目のダウン。

 

その後も飯泉の猛攻は続いたが、タフネスぶりを発揮した佐野は、強打飯泉と真っ向から打ち合った。

 

判定は2度のダウンを奪った飯泉の物だったが、佐野も強い右をたたきつけ、飯泉を下がらせるシーンを演出。

 

特に5Rの打ち合いの激しさはあきれるほど。

 

A級トーナメントの為6回戦だったが、強打飯泉相手に判定まで持ち込んだ。やはり鉄のアゴの持ち主だ。

 

この敗戦で佐野はグラブを吊るした。生涯戦績は、23勝(5KO)10敗4分け。

KO負けは1度のみ。

 

対戦相手には、川口高生、岩本弘行、島三雄、友成光、安里義光、ブレーザー大久保、千葉アルレドンド、飯泉健二らと著名ボクサーが並ぶ。

キック世界王者だった島からは二度ダウンを奪ったが、判定負け。

 

満武士、伯耆淳、佐々木英信らと共に忘れられないバイプレイヤーだ。ただこのわき役たちは主役を食うべく、牙を研いでいた。

 

現在佐野は会長として「富士山ボクシングネクサスジム」で選手育成に努めているという。

 

コロナ禍に負けず頑張って欲しい。