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20日(日本時間21日)行われたメキシカン対決。

 

WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ

ミゲール・ベルチェルトVSオスカル・バルデス

 

予想はベルチェルト有利。

自分も終盤のストップ勝ちを予想していたが、結果はバルデスが計3度のダウンを奪い、11RTKO勝ち。

正に完勝だった。

 

スタートからスピードが段違いだった。

パンチだけではなく、大きな勝因となった動きのスピードもバルデスが数段上回る。

 

バルデスは前日計量からのリカバリーも10lb程度に抑えていた。

動き回ることがこの試合のテーマだったのだろう。

 

1Rはベルチェルトがガードを上げ、相手能力把握に務める捨てラウンドと感じたが、この流れは3Rまで変わらず。

動きとスピード差でバルデスが制する。

左でも差し負けたベルチェルトは、パンチ当ててもすぐにリターンを入れられる苦しい展開。

 

4R、テンプルにパンチを食らい、攻め上げられたベルチェルトは、「ロープダウン」を取られる。

脚がガクガクし、定まらない。

 

ゴング前だった為に、最小限の追撃を食らっただけでKOを免れたが、次のラウンドが始まっても脚が言う事を聞かずダメージを引きずるベルチェルト。

 

5R、フルスイング&オーバーペース気味のバルデスも中盤以降は要所の攻撃で小休止する。

 

バルデス陣営が怖いのは、激戦慣れしているベルチェルトの無尽蔵のスタミナからくる反撃。

 

事実7Rはラスト30までは、ベルチェルトの手数が上回る(ポイント的にはラストでバルデスが集中打で逆転)。

 

ベルチェルトも7~8Rと必死に手を出すが、腰高とダメージでパワーレス。そしてバルデスの左右の動きに付いていけない残酷な展開。

 

9R、右アッパーから左フックで勝負を決定つけるダウンを奪うバルデス。

 

10R、焦って上体を預けながら出るベルチェルトのアゴにバルデス左フックカウンター一閃。

 

ベルチェルトは前のめりに倒れる痛烈なダウン。レフェリーは即座に試合を止めた。

予想を大きく覆すバルデス圧巻の王座獲得劇。

 

スピード、動き、切れともにまるでテオフィモ・ロペス級の出来だった。

 

甚大なダメージを負ったベルチェルト。

激戦による金属疲労もあり、再起には慎重な判断が求められる。

 

現在国内スーパーフェザー級は尾川と三代というランカーがいるが、この日のバルデスの出来を見ると残念ながらレベルが違うと言わざるを得ない。