2月某日

立春を迎えたとはいえ、肌寒さ残る池上本門寺。

 

時代の寵児というレベルでは言い表せない正に国民的ヒーローであった力道山の墓所を訪れた。

 

所々に建つ墓場所の案内看板。力道山墓前に尊老のお参りの方々。

戦後日本の英雄で有った力道山の威光は煌めき続けている。

 

当時の我が国では力道山は希望の光。

 

太陽そのもの。皆力道山に明日を見た。

 

ただ光あれば影。

 

日の光強ければ、影は一層強さを増す。

 

力道山の墓所には、生前彼と行動を共にした男たちも眠っていた。

まさに一蓮托生。

 

熾烈な墓群を目の当たりにして、言い知れぬ想いに狼狽した。

 

現代の価値観では決してあり得ない所作だが、男たちは本気だった。

 

但し、互いにこの利害関係は常に 決壊寸前。

 

特に力道山逝去前は、誰が下車するか疑心暗鬼の関係だったと思う。

 

残念ながら全ては力道山の危険極まりない、まさに火薬庫如き野心が因源。

 

形を残すことで互いが誓い合わねば、崩壊する危うい関係。

 

築き上げるオブジェが砂上の楼閣で有ることを皆知っていたと思う。

 

各位の墓石へ自分なりに冥福をお祈り申し上げたが、家路を急いだ。

 

平成に生きる市井の民として、この地は余りに圧が強すぎる。

 

志半ばの魂が彷徨続けていた。

 

怪物死していまだ神威衰えず。

力道山光浩氏のご冥福をお祈り申し上げます。