忘れられない拳豪のひとりに飯泉健二がいる。
網膜剥離を患いJBCより引退勧告。
以来復帰を信じトレーニングを続ける飯泉。
当時国内未認可IBFへの参戦を決めた後は、古巣ジムでのトレーニングが許されずに倉庫でサンドバッグを吊るし、孤独な鍛錬を続けたらしい。
1998年1月、大阪リングに飯泉の姿があった。
実に9年ぶりだが、筋肉質のフォルムは変わらない。
いかに自身を律してきたのか窺い知れる。
ゴングから襲い掛かる飯泉。
上下に振るうパンチは、ブランクを感じさせない正に豪打。
そのパワフルなパンチで相手(スリアン)の右目から大きな出血。
2R開始からも一気に赤コーナーへ詰め連打。
相手を逃がさないこのシーンは、まさにマーク堀越戦の再現。
結局相手の出血が酷く、ドクターストップ。
2RTKO。わずか230秒で飯泉の復帰戦は幕を閉じた。
勝者の名前も覚えていないポンコツからのインタビューで、ファンへの感謝を述べ涙する飯泉。
初めて巻いたベルト(IBFアジアライト級)。
この勝者にはIBF世界王者への挑戦権が与えられるとの話もあったが、当時の王者はシェーン・モズリー。
飯泉は自身にけりをつけグローブを吊るした。
今も語り継がれる飯泉の強打。
その古武士然とした立ち振る舞いを含め、いつまでも記憶に残る選手だ。
飯泉健二:20勝(17KO)3敗
