米国で見事ジャイアントキリングを成し遂げた中谷正義。
同様の偉業というと世界王者の西城、上原、西岡、伊藤らを除くと
シゲ福山(1974年9月対ダニー・ロペス)
石田順裕(2011年4月対ジェームス・カークランド)
位しか思い浮かばない。亀海もソト・カラスを破っているけれど、この三人と比べるとワンランク落ちる。
試合内容もドラマティックだったので、中谷正義はまた米国に呼ばれるだろう。
まだWOWOW生配信の映像のみで、ON AIRの映像を見返していないが、この試合を観て思うところを散文的に。
敗者フェリックス・ベルデホだが、調子自体は良かった。
1Rの両者のスピード差は、正直レベルが違った。
サイドへの動きも良く、楽々リターンを決め、例のダウンを奪ったパンチは強烈。
中谷も反応はしていたが、ベルデホの踏み込みが鋭かった。
以降もベルデホの左が機能していたのは、この踏み込みの速さ。
あとは戦前から予想通り、中谷の左にベルデホはクロス狙い。
中谷のパンチの引きの遅さも突かれていた。
ただ中谷から言わせるとしゃにむに引きを速めれば良いという事でもないのだろう。
事実、ダウンを奪った左ストレートは腕を伸び切り置く打ち方だっただろうし・・・。
ただベルデホと比べるとバランスの悪さも目立っていたし、打ち終わりの姿勢も危なっかしい。
4R、中谷が右を出すときにベルデホの右がカウンターで炸裂し、中谷ダウン。
試合後のインタビューでこのダウンの方が効いたとの事。
すぐに立ち上がり、素振りを見せない中谷。精神的にもタフで、中盤以降いかにも疲れましたと表情に出ていたベルデホとの大きな差がこのポーカーフェイス。
つぶらな瞳で内面をさらけ出してしまうラテンボクサーは、中谷の能面のような東洋人顔は不気味だろうな。
八重樫なんて最初から顔が腫れている!反則だな。
ベルデホが疲れているのは、明らかだが途中から無理せずにカウンター狙い。中谷も思う程ボディーを攻められない。
10ラウンドスケジュールという事も有り、ベルデホ判定で逃げ切りかと思われた。
中谷は負けてもタフネスを発揮し、爪痕残したので商品価値は維持したなと思っていたが、ベルデホの失速は目を覆うばかり。
前半右のフルスイングを見せていたけれど、スタミナ渇水は酷かった。
コロナ禍で十分な練習詰めなかったかも知れないが、中谷も同じ条件。
ボクサーとしてのスペックは中谷を上回っていたが、ベース部分の鍛錬度が足りないな。
さて中谷正義の今後は?
自身はテオフィモ・ロペスとの再戦一択なのだろうが、残りライト級で1試合と明言のロペスがハイリスクローリターンの中谷を選ぶことは無いだろう。
個人的には、国内ライト級ウォーズに参戦して欲しいが、帝拳ジムだけにこのまま海外路線を突き進むと思われる。
気が早いがロペス王座返上後、混とんとするライト級。
王座決定戦を含め、中谷に王座挑戦の機会はありそうだ。
米国ボクシングファンを驚かせた中谷。
来年は勝負の年だ!



