1986年8月24日 兵庫県 姫路厚生年金会館

日本フェザー級タイトルマッチ

杉谷満VS来馬英ニ郎

 

杉谷:19勝(13KO)1敗 22歳 ※王座一度防衛中

来馬:24勝(9KO)8敗 3分け 27歳

 

杉谷は来馬からタイトルを奪ったチバ・アルレドンドを倒し日本王座獲得。

二度目の防衛戦で挑戦者の地元・関西へ乗り込んだ。

 

当然関東ではノーテレビ。

この伝説の試合のビデオをリングジャパンにて3000円で購入した記憶がある。

 

1R、開始クラウチングで肉薄する来馬に対し、杉谷は足と左。

左フック、右打ち下ろし、右カウンター、左ボディー。

杉谷はメキシカンスタイルに傾倒していたようだが、正に技術の違いを見せている。

ただ来馬も強引に入り、相打ちも辞さぬタイミング。

杉谷ペースで進んでいたが、終了間際来馬の左フックがカウンターになり杉谷が後方にはじけ飛ぶようにダウン。

波乱の幕開け。

 

10-8来馬

 

2R、開始早々、杉谷のワンツーがアゴに入り、来馬がダウン。

再開後、一気に仕掛ける杉谷。ボディー顔面へコンビを集める。

途中、来馬の左フックが入り、一瞬足に来た杉谷だが、後半は足と左で堅実にラウンドを終える。

 

10-8杉谷

 

3R、開始から両者左右フックの打ち合い。暑い会場(冷房設備無)でハイペース。

足と左の杉谷に接近戦しかない来馬は肉薄。

全体的には杉谷の技術が上回るが、やや外からのパンチが目立つのに対し来馬はコンパクトなショート。

後半は来馬のペースになる。

 

10-9来馬

 

4R、足と左の杉谷だが、つなげるパンチはやや大きい。また来馬のパンチが入るとややムキになるシーンも。

中盤、手ごたえを感じた杉谷は一気にラッシュ。上下にパンチを集める。

ただ来馬もよく耐え、後半は逆に前へ出て来る。車馬の右フックで杉谷の動きが止まり、一気に出る来馬。

杉谷はロープに詰まりグロッキー。

※この日のリングは3本ロープ。

 

10-9来馬

 

5R、疲れているはずの杉谷だが、来馬の前進を止めるべく攻撃。

応じる来馬も疲労からややパンチ軌道がぶれる。

杉谷センスある上下への攻撃も来馬は下がらず、逆にボディーで杉谷の動きを止める。

身体を丸め耐える杉谷。杉谷も打ち返し、凄い打ち合いのままゴング。

 

10-9来馬

 

6R、両者頭を付けての打ち合い。来馬の的確なショートが杉谷のアゴを捉える。

更に右アッパーで杉谷のアゴが上がる。

防戦一方の杉谷だったが、左を起点にし一気に反撃。

ただ疲労から手数が止まると来馬のショート攻撃に疲労&ダメージ。

ダウン寸前の杉谷は辛うじてゴングに救われる。

 

10-9来馬

 

7R、たまらず杉谷の兄、元王者実がアドバイスを送り、リングへ送り出す。

杉谷は攻撃=防御。

開始から手数出すが、疲労の為、続かない。

杉谷大振りを突かれ、来馬の左から右フックをアゴに食らい。座り込むダウン。

再開後、猛襲する来馬に杉谷の左フックがカウンターとなり、一気に攻める杉谷。

来馬はロープからロープへよろける。

来馬が大きくよろけたところで、レフェリーはスタンディングでカウントを入れる。

再開の所作が明らかに違うアウェーの洗礼の杉谷だが、猛攻を仕掛ける。ここはストップが入るタイミングだが・・・。

20数発の手数を繰り出し、スタミナ渇水。へたり込んでしまった杉谷にレフェリーは10カウントを入れた。

(7R2:50KO)

メキシカンスタイルに傾倒し、大振りの杉谷に対し、ショートで肉薄した来馬。

採点でも大きくリードしており、見事な作戦勝ちだが、やはりこの犬飼氏のレフェリングは大きな疑問が残る。

 

試合後、セコンドについていたマック金平氏は怒り心頭。

「(大阪のレフェリングに猛抗議)これでは第二の赤井が出てしまう」とのコメントを出した。

 

ただ尋常ではない暑さの会場での両者死力を振り絞った激闘は、称賛以外の何物でもない。

 

関西リングでは串木野純也VSカーロス・エリオットと並ぶ伝説の激闘だ。

 

センスに恵まれていたわけではない努力型の来馬はこの日獲得(4回目!)した王座を返上。

 

次戦に敗れて引退を表明。文字通りこの試合で燃え尽きていた。

 

杉谷はその後も戦い続け、3年後の世界挑戦まで漕ぎつけた。