また一人偉大なる戦士が旅立った。
元世界フェザー級王者。パナマのエルネスト・マルセル。
同国の英雄ロベルト・デュランの3つ年上72歳だった。
両者はスパー経験もあり、実際対戦もしている(1970年5月デュランが10RTKO勝ち。但し突然のストップは不可解)
その後、マルセルは来日し、愛媛で柴田国明の世界王座へ挑んだが、地元判定に泣き引き分けで王座獲得ならず(1971年11月)。
どう屓目に見ても柴田の防衛はない。
まさにミズスマシノ様な動きで柴田を翻弄した。※その後生まれた息子に「シバタ」の名を付けたマルセル。何だか泣けてくる。
柴田戦から9か月。西城正三から王座を奪っていたアントニオ・ゴメスから念願の王座獲得。
王者のまま引退するまで4度の防衛に成功。
そのメンバーは、エンリケ・ガルシア、ゴメスとの再戦、スパイダー根本、アレクシス・アルゲリョ。
そしてノンタイトルでレオネル・エルナンデス、ラミロ・ボラノス、サムエル・セラノらに勝利を収めているのが凄い。
マルセルのラストファイト。
途中アルゲリョの強烈な右と左レバーにKO負け寸前に陥りながらも、後半盛り返し王座を死守した。
一見打たれ脆そうなイメージも有るが、意外なタフネスと危機回避能力には秀でていたマルセルの特徴が出た試合。
このマルセルの戦法は、我国ボクサーが辛酸をなめ続けてきたスタイルその物。
柔らかい身体、長いリーチ、防御技術に長け、左右へ動く。この流儀はペドロサ、サパタらへとパナマ技巧派ボクサーの系譜として脈々と受け継がれて行った。
二度の世界戦がマルセルとペドロサだったスパイダー根本。一体何の罰ゲームだろう。
エルネスト・マルセル:46戦40勝(23KO)4敗2分け
今見ても本当に技術を感じる素晴らしい選手だった。
偉大なるエルネスト・マルセル氏のご冥福をお祈り申し上げます。

