今年の年間最高試合というか歴史に残るだろう井上尚弥VSノニト・ドネアの激闘。

 

録画していた映像を見て&現場で感じたことを散文。 

 

試合開始。とにかくドネアの雰囲気を感じた。スタートに強い井上を恐れない悠然な構えと機を見てカウンターを狙う、即応さを垣間見せる。

 

但し井上は好調そうで、体の動きにスピードがある。

 

しかし全てが狂ったのは2R、ドネアの左フックで井上の右瞼が切り裂かれた後。目という最大のセンサーを失った井上は、右ガードの意識を更に上げ、ポジション取りに留意する戦法に。

 

TV画面で見ると解り難いかもしれないが、会場での「定点観測」だとやはり井上はドネアの意外な懐の深さや待ち受けるカウンターを警戒し、定評のある飛び込みが今一つに見えた。

 

しかし5R井上は右でドネアをたじろがせ、一気にスパーク。これで決まるかと思われたが、ドネアも粘りピンチをしのぐ。

 

その後、井上が若干抑えたことも有るが、ドネアが盛り返し9R、井上がキャリア最大のピンチに遭遇する。

 

ドネアの右を顎に食らい、たじろぐ井上。ドネアの追撃が今一つ欠けたことで生き延びたが、会場が騒然とするシーンだった。

 

ただ余り語られる事もないが、基本的に井上はタフ。10Rは逆にサイドからの攻撃でポイントを奪い五分に戻す。

 

そして11R見事な左ボディーで値千金のダウンを奪い、勝利を決定付ける。

 

このダウンシーン。ドネアが背を向けた時に井上の追撃をレフェリーが遮断した。

 

これに異を唱える向きもあるが、これは流れで致し方ない。

 

ドネアのキャリアならではのサバイバル術だ。

 

次にレフェリー(アーネスト・シャリフ)のカウント。

明らかに10秒以上経過していたが、ドネアもカウントに合わせて立ち上がっているので、これもスルーという事でご容赦。

 

結果的には試合続行でフルラウンド判定勝負。

 

最終ラウンドのドネアの奮闘による感動を呼び込んだ。

 

この試合の立役者は間違いなくドネア。パワーと勢いの有る井上の攻撃を恐れずに危険なタイミングでパンチを繰り出すドネアの姿勢には、本当に敬服した。

 

井上自身得難いキャリアになり、連続瞬殺という足かせも外れたことは、スタイルの広がりにもなる。

 

今はモンスタースタイルでも良いが、上のクラスに上がった際には、マイキー・ガルシアの様な盤石スタイルが理想。

 

ドネアを少しでも長く見たいという自分の希望はかなったが、予想は大外れ。これだからボクシングは奥が深く面白い。

 

 

一方キャリア初黒星を喫してしまった井上拓真。

 

ウバーリはやはり上手く、技術レベルには相当な開きが有った。

 

1Rはウバーリもやや抑え気味のブローも既に左のタイミングは掴んでおり、2R~ギヤを上げるとすぐに拓真は後退。

 

身長の割りに長いリーチと肩の可動域の広さを活かした左は伸びる。

 

拓真はウバーリの左が上に来るのか下に来るのか分からなかったのでは?

 

4Rのダウンから、右のカウンターを基に上手く立ち直ったが、この右カウンターに固執し続けたのも良くなかった。

 

拓真は9R初めて左レバーを巧打、以降顔面に左フックを放つようになる。

 

このパンチの方がウバーリへ機能していた。

 

またウバーリの攻勢に真直ぐ下がるシーンが多かったが、本来はサイドへも動けるタイプ。

 

拓真のフィジカルは、このクラスでも充分通用するが、やはりパワー不足は致命的。ジャッジへのアピール不足にも通じてしまう。

 

パワーが無ければ、手数勝負しかないのだが。

 

 

本日のジョギング距離:5km