先日山縣孝行さんの事を記した時、後楽園ホールリングサイドクラブの重鎮達を思い出した。

 

理髪一番の藤田さん。レストランポニーの平山さん。

会長の小原工務店の小原亀吉さん。

また角海老の鈴木オーナーや元日本王者中野吉郎の父親も同クラブ員だったと聞いている。

 

80年代~90年代前半まで何かにとりつかれたように後楽園ホールに通った。

 

ほぼすべての興行に足を運んだと思うが、常にリングサイドには藤田さん、平山さんのツートップが鎮座ましましていた。

 

非常に有名なフレーズ

 

「何にもしていないけど 何となくいいなぁ~」は好カード時の平山氏の鉄板。

会場は必ず沸いた。

 

「おい!町内も走っていないな」はスタミナ不足の選手への叱咤(藤田氏)

 

「おいおい音がしないよ」「両方負け~」

 

その反対で練習をよくしている選手(新鋭時代の喜友名)には

 

「喜友名。お前は日本で一番いい選手だ」(平山氏)

 

ボクサーを愛するリングサイドクラブ。

 

好試合にはインターバル中にリングアナが

 

「両選手にリングサイドクラブから「敢闘賞」が出ております」でさらに会場が涌く。

 

僕らファンも試合が白熱すると敢闘賞が出る?と両氏をチラチラと。

 

また平山氏は自身が経営するレストランポニーで名嘉真堅徳を従業員として雇っていたと思う。

 

熱血漢藤田氏が激怒したシーンが有る。

 

フジテレビが売り出していたアイドルボクサーがメキシコの選手と対戦したことが有った。

 

明らかに技術で上回るメキシカンだが、自ら踏み込んで打たずに迎え打ちのみ。

 

藤田氏はさかんに

 

「おい。怪しいぞ!」を連発。

 

一向に変わらぬ試合展開に遂に業を煮やした藤田氏はメキシコ人セコンドに

 

何と蹴りかかって行った。当時65歳位?

 

さすが裸一貫焼き芋屋から理髪店経営に転向し、理髪協会と喧嘩してまで、価格破壊の理髪チェーン店を成功させた立身の藤田氏。

 

ボクシングを愛するが故のこの行動。今でも目に浮かぶ。

 

毎興行、両氏とも試合が終わると一目散で下りのエレベータへ。

 

私も何度かご一緒し、エレベータの中で二三言、試合の話をするのが非常に勉強になった。

 

お二人とも鬼籍に入られて久しい。

 

今後楽園ホールにリングサイドクラブの様な、ボクサーを育ててくれる熱心なファンは残念ながらいない。

 

また絶妙のタイミングで厳しくも温かいヤジを飛ばす人もいない。

(何年間も聞くに堪えない自己満足のヤジを大声で叫ぶ人はいるな。何年も通っているので熱心なファンなのだろうが、聞いていて愉快ではない)

 

今後楽園ホールに「年間ボックスシート」は有るのだろうか?興行主が違うから難しいだろうが、このシートで目を光らせているご意見番のファンも必要だと思う。

 

特定のジムや選手の支援者ではなく、「ボクシングファン」が育って欲しい。

 

「村田!ポッキー食べるか?」(詠み人知らず) 

 

 

本日のジョギング距離:これから!