釣手土器
釣手土器には、アーチ状の把手の両端やアーチの部分に円形・玉状の形が描かれています。
私はこの形に、縄文人の霊魂観が深く反映されていると考えます。
釣手土器
ヌト
古代エジプトのお墓の天井に描かれた天空の女神ヌトの体の中にも、数多くの円形が見られます。
私はこれらを、死者の霊魂、魂、あるいは神霊の象徴として理解しています。
ヌトの身体に散りばめられた円形は、夜の太陽が再生へ向かう過程で魂が循環する様を示しているように思われます。
縄文人もまた、肉体と霊魂の融合によって生命が維持されると考えていたと推測されます。
そのため、釣手土器に円形や玉状の形を表現することは、霊魂の存在を可視化し、生命の再生を祈願する象徴的行為だったと考えられます。
円形は「完全」「循環」「再生」を意味し、縄文人にとって究極の願い――生命の永続と霊魂の安寧――を形にしたものだったのでしょう。


