日本建築の屋根を構成する重要な部材である棟木(むなぎ)と垂木(たるき)について考察します。

棟木は屋根の中心を貫く要であり、古代建築には現代では想像しにくい名称が多く残されているため、そこに古代人の思想が反映されている可能性があります。

 

棟木を「胸木」と捉える説があり、棟木は胸骨や背骨として理解されていたと考えられます。私自身も同様に感じており、垂木は樽の箍(たが)に相当すると見ています。

つまり、屋根の棟木と垂木は、人間の背骨・胸骨・肋骨の構造を建築語彙として表現したものではないかと考えられます。

 

 

 

 

屋根は雨と深く関わる部分であり、樽は水や酒を入れる重要な器です。棟木と、周囲を締める垂木の構造は、樽の構造と人体の骨格の双方に重なるため、古代人はこれらを象徴的に結びつけて名称を与えた可能性があります。

 

 

 

 

 

さらに、私は古代人が屋根そのものを船として捉えていたと考えています。味噌・醤油・酒・水などを入れた樽は船で運搬されることが多く、船に積まれた樽のイメージと、人間の背骨・胸骨・肋骨の形態が、屋根の骨組に重ねられたのではないかと推測しています。