出雲大社のしめ縄は巨大で、見る者を圧倒する存在感を持っています。私は、このしめ縄と「〆の子」について象徴論的観点から考えてみたいと思います。

 

 

一般に、しめ縄はヘビの交尾を象ったものとされ、男性性と女性性の結合、すなわち陰陽の統合を象徴すると解釈されてきました。世界的に見ても、日本のしめ縄文化は独自性が際立っており、縄文以来の象徴体系が連続している可能性があります。

 

 

 

また、しめ縄の「し」は「死」で「め」は「目」または「芽」でトーラス構造の中心は「目」であり、八咫鏡の構造の中心も目であり「死」から再生の「芽」が生まれでる場所でもあります。

 

「〆の子」という名称を素直に読むと、「〆=閉じる」「子=胎児・赤子」を意味します。つまり、しめ縄から生まれ出る胎児・子供を象徴していると考えることができます。出雲大社の〆の子は円錐形をしており、この形状が何を意味するのかが重要な問いとなります。

 

 

私は、しめ縄をトーラス構造は中心のエネルギーが集まるところと捉えています。トーラスの中心部には渦巻状のエネルギーがあり、その回転運動が螺旋として表現されると考えています。円錐形の〆の子は、トーラスを側面から見た際に現れる円錐状のエネルギー流を象徴している可能性があります。円錐はエネルギーの回転、出入り口、あるいは生成の方向性を示す形として世界の象徴文化でも広く見られます。

 

 

 

京都の下鴨神社の細殿の前にも円錐形が二つ並んでありますがこれも同じような意味があると捉えています。

さらに、出雲大社の〆の子は三つ並んでいます。トーラス構造の中心が「3」であるという仮説を採るなら、この三つの円錐はその「3」を象徴しているとも考えられます。日本文化では「3」は父・母・子の三位、あるいは現在・過去・未来の三時制を表すことが多く、生成のプロセスを示す数として重要です。

 

 

古代人がトーラス構造を理解していたのかという疑問は当然あります。しかし、宇宙の原理は回転と循環であり、自然界の渦や螺旋は常に目にすることができます。古代人はこれらを感覚的に理解し、象徴として形に落とし込んだ可能性は十分にあると私は考えています。しめ縄と〆の子は、その古代的宇宙観の表現として読み解くことができるのではないでしょうか。

 

※ 八咫鏡の構造はカタカムナ研究家吉野信子氏の著書より