遮光器土偶の首輪のような文様について考察します。
この首輪表現は遮光器土偶に限らず、世界各地の絵画・壁画・像にも見られます。
古代エジプトのツタンカメン黄金のマスクに描かれた首飾り「ウセク」もその代表例です。
古代人はこの首輪の形に、深い象徴的意味を込めていたと感じられます。
同心円状の首輪文様は、日がさ(太陽ハロ)の形に似ています。
太陽ハロは雨の降る数日前に現れる自然現象であり、太陽と雨の関係を示す重要な兆しでした。
自然と共に生きた古代人は、この形を通して太陽の変化と生命の循環を感じ取り、
その印象を造形に表したのだと思われます。
さらに、この同心円形はトーラス構造とも対応します。
縄文人は形だけでなく、トーラスが象徴するエネルギーの流れを感覚的に理解していた可能性があります。
遮光器土偶の首輪をトーラスと見立てると、胸の「∨」と腹の「∧」の文様は、
トーラス構造の中心におけるエネルギーの流入と流出の形と共鳴します。
このように、遮光器土偶の文様はトーラス構造のエネルギー循環を体に刻み込んだものと考えられます。
縄文人はこの形を通して、再生・復活の実現への祈りを込めたのではないでしょうか。
首輪文様は単なる装飾ではなく、生命の循環を象徴する宇宙的構造の表現だったと推察されます。





