私は遮光器土偶は「フクロウ」をモチーフにした土偶であると以前から考えてきました。
先月、亀ヶ岡石器時代遺跡を訪れた際にこの考えを話したところ、現地の方から「そのように話された方は初めてです」と言われました。
おそらく、この視点を持っているのは私だけかもしれません。

 

 

遮光器土偶は大きな目に注目が集まりがちですが、私は腕や脚の形にも重要な意味が込められていると感じています。
左右の腕、そして両脚の太さは明らかに誇張されており、これはフクロウの足の特徴を表現したものだと考えています。

フクロウの足は、指の付け根まで長い羽毛で覆われ、木に止まると太く見えます。
遮光器土偶の腕や脚の形状は、このフクロウの身体性を土偶に写し取ったものと捉えられます。

 

 

さらに、この腕や脚の形は円錐形・ドーム形をしています。
これは縄文人が大量に作った深鉢型土器の形状と非常に似ています。
深鉢型土器は、私の考えではトーラス構造の中心にある二つの円錐形(上下のエネルギーの出入り口/下の図)を象徴しており、
再生・復活のエネルギーを表す器でした。

 

 

そのため、遮光器土偶を制作した縄文人が、
深鉢型土器の象徴性をそのまま女神像の腕や脚に取り入れた
と考えるのは自然なことです。
縄文人にとって深鉢型土器は特別な意味を持つ器であり、その象徴を土偶に反映させるのは当然だったのかもしれません。

 

縄文時代は気温が低く、衛生環境も十分ではなかったため、母子ともに生命の危険が常にありました。
研究者の間では、男性に比べて女性の人口が少なかった可能性が指摘されており、
出産時の死亡率が非常に高かったと考えられています。

 

私は縄文人がトーラス構造のエネルギーの流れを感覚的に理解していたと考えています。
遮光器土偶は、フクロウの守護性とトーラスの再生構造を融合させた女神像であり、
生命の誕生と再生を祈る象徴として制作されたのだと思われます。

次回は、遮光器土偶の「指」に込められた意味について考察してみたいと思います。

 

※ フクロウの足/神戸花鳥園公式ブログから写真をお借りしました。