大湯環状列石といえば、野中堂と万座の二つのストーンサークルがよく知られています。しかし、その敷地内には、ほとんど注目されてこなかった 五角形のウッドサークル が存在します。約500年にわたる遺跡の歴史のうち、後半の300年間は、この周辺で祭祀が行われていたと推測されています。
私は、この五角形のサークルが オリオン座の五角形 と深く共鳴しているのではないかと考えています。野中堂は東側、万座は西側に配置され、一日の太陽の動きを象徴するように並んでいます。そして、その万座のさらに西側に位置する五角形のウッドサークルは、「夜」 を象徴しているように思われます。
夜は冥界・黄泉の世界とも結びつきます。古代人もまた、夜を死後の世界と重ね合わせていた可能性があります。古代エジプトでは、オリオン座はオシリスの象徴であり、再生と復活の星座として崇拝されていました。大湯環状列石周辺の人々も、オリオン座の五角形を同じような感覚で捉えていたのではないかと私は感じています。
大湯と古代エジプトの象徴世界は、驚くほど共鳴しているのです。
さらに、五角形のサークルの周囲には、円に長方形が付いた形の小サークルが七つ 配置されています。その中には、明らかに 勾玉の形(上の見取り図の赤い〇で囲んだ部分) を思わせる石列が存在します。私はこの形を 「胎児」 の象徴と考えています。しかし、この石列に注目している研究者はほとんどいません。
この場所は、大湯環状列石の歴史の中でも、特に寒冷化が進み、生活が厳しく、人口減少が起きた時期に祭祀が行われていました。胎児や母体の生存率も低かったと考えられます。だからこそ、人々は 生命の再生・復活・繁栄が途切れず続くこと を、この地で強く祈ったのではないでしょうか。
五角形のウッドサークルと勾玉形の石列は、夜と冥界、そして再生と復活を象徴する場として、大湯環状列石の中でも特別な意味を持っていたように思われます。






