前回は、野中堂環状列石において、石英閃緑玢岩(せきえいせんりょくひんがん)による同心円だけでなく、その周囲を飾る安山岩などの小型の石によって形成される全体的な形を考察しました。
今回は、万座環状列石について、同様に石英閃緑玢岩の同心円構造だけでなく、安山岩などの小型の石を組み合わせた全体の造形から考察を進めます。
万座環状列石も、遠景では黒い石による同心円だけが強調され、写真や図版では安山岩の配置がほとんど表現されていません。
しかし実際には、四方へ放射状に安山岩の小石が伸びる独特の形が存在します。
その配置は八の字を描くように、四方向へ広がっています。
(上の図は正確なものではなく、形のイメージを示すための概略です)
この形を初めて知る人も多いでしょう。
私は、この放射状の八の字形が、太陽ハロ(日がさ)における太陽アークと中心の同心円を結合した象徴的な形を表していると考えています。
一般には、この八の字形は「出入り口」と説明されることが多いのですが、縄文人にとってはそれ以上に重要な意味を持っていた可能性があります。
日がさは、光と水が織りなす自然現象であり、生命の存続に欠かせない要素を象徴します。
そのため、この形を環状列石に表現することで、光と水の恵みを受け取るための祈りが込められていたのではないかと考えられます。
また生命の再生、復活、循環、永遠の幸せの願いを込めた形として大湯環状列石に集まった人々の強い願いが込められた形として重要視されたと私は感じています。



