古代エジプトの壁画には、ラーの目やウジャトの目、王冠などに渦巻文様が多く見られますが、その意味については確かな説明が存在しないため、私はこの文様が斜めの直線から渦へと移行する一般的な構造を手がかりに、トーラス構造の中心部を流れるエネルギーを象徴的に表現したものであると考えています。
すなわち、中心部に集中したエネルギーが渦巻状に入り、また渦巻状に出ていくことで再生や復活が生じる場を示していると解釈しており、一般的には直線的に出入りすると考えている人が多いと思いますが、実際には渦を描くことでエネルギーが増大しながら循環する原理を、古代エジプト人はある程度把握していたのではないかと思われます。
こうした視点から見ると、古代エジプトの装飾は単なる意匠ではなく、緻密な計算に基づいて再生・復活・変容といったテーマを象徴的に表現している点に深い感銘を覚えます。



