以前、「八丁三角」について考察しましたが、抽象的な部分も多く、理解しにくい点があったかもしれません。 そこで今回は、「八咫鏡の構造」を図象的な手がかりとして用いながら、よりわかりやすく説明してみたいと思います。
遷座祭と「八丁三角」のルート
諏訪大社下社では、年に二度、神霊(御霊代)が春宮と秋宮の間を遷る「遷座祭」が行われます。
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2月1日:秋宮 → 春宮
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8月1日:春宮 → 秋宮
この遷座のルートが興味深いのは、単なる直線ではなく、「八丁三角」と呼ばれる三角形の二辺を通る形になっている点です。
「八丁三角」の意味
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「八丁」とは、約872メートルに相当します(1丁 ≒ 109メートル)。
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遷座のルートは、四丁(約436メートル)進んでL字型に曲がり、さらに四丁進んで目的地に到着するという構造。
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このルートは、直線距離ではなく、あえて角を折れて進むという特徴を持っています。
八咫鏡の構造との対応関係
ここで注目したいのが、八咫鏡の構造との対応です。
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この構造に当てはめると、ヒ(1)を春宮、イ(5)を秋宮と見立てることができます。
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すると、ヒ→イを結ぶ赤い三角形の辺が、ちょうど八丁三角のルートと重なるのです。
この三角形は、潜象界(せんしょうかい)=目に見えない神の世界の構造を地上に投影したものと考えることができます。
御手洗川と冥界の境界
さらに、図の青の斜線のヨモツヒラサカ(黄泉比良坂)やイフヤサカ(伊布夜坂)といった神話的な「境界の坂道」を、 御手洗川(みたらしがわ)=下馬橋の下を流れる川に重ねてみると、 神霊がこの川を渡ることで、異界から現世へ、あるいはその逆へと移動するという象徴的な意味が見えてきます。
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黄色で囲んだ楕円が「下馬橋」。
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神輿がこの橋を渡ることで、神霊が秋宮へと到着するのです。
古代諏訪の人々の宇宙観
このような構造を見ていくと、古代の諏訪の人々は、八咫鏡の構造や神話的な空間の重なりを深く理解していたのではないかと考えられます。 遷座のルートは単なる移動ではなく、神霊がこの世に顕現し、再び霊界へと還る「神の道」=宇宙の構造をなぞる儀式だったのかもしれません
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※ 八咫鏡の図象はカタカムナ研究家吉野信子氏の著書より引用

