諏訪大社の御舟祭で用いられる柴舟の木枠が、夜空のオリオン座と非常によく似た形をしていることから、私はこの柴舟が古代エジプトの太陽の舟と習俗的なつながりを持つ可能性があると考えています。
すべての習俗が一致するとは思いませんが、象徴的に共鳴する部分が多く存在します。
ジジ・ババの二体の人形は、建御名方神と八坂刀売神を表す日本の翁・媼の姿ですが、古代エジプトの天空の女神ヌトや冥界の再生神イシス、オシリスとも類似点が見られます。
ヌト
イシス
オシリス
まず、媼の赤い鉢巻は、高砂の翁媼の絵や人形には見当たりません。一般的には橙・青・金色が多く、赤は特異な色です。
一方、古代エジプトのヌトやイシスのハチマキ(ティエト)はすべて赤色で描かれます。また、ヌトは頭に水瓶を載せた姿で表され、八坂刀売神の人形が手に籠を持つ点と象徴的に響き合います。
さらに、イシスは両手を水平に広げた翼の姿勢で描かれることがあり、これは八坂刀売神の人形の両手を広げた姿と類似しています。イシスの髪は白色で表現されることも多く八坂刀売神の白髪とも響き合います。腰の帯の結びも、ヌトやイシスの腰紐の結びと共鳴しています。
ジジの翁の髭は冥界の神オシリスの顎髭と重なり、着物の緑や青はオシリスの肌の色と響き合います。また翁の白髪とオシリスのヘゼェト(白冠)の色が共鳴します。古代エジプトでは白・青・金が重要な色であり、青ナイル・白ナイルの象徴性ともつながります。
また、帯の結び(ティエト)は非常に重要な護符であり、その構造が鉢巻や帯に表現されていると考えられます。
柴舟は柴の束で作られ、オリオン座の骨格に似た円環状の構造を持ちます。これは「8の字」あるいは「〇」の回転を象徴し、再生・復活を表します。
古代エジプトではオシリス・イシス・ヌトは太陽の舟には乗りませんが、天空と冥界を象徴し、再生・復活・変容の神として崇拝されていました。
ジジ・ババの二体の人形は神霊を表します。
そのため、柴舟というオリオン座=冥界の象徴的構造の上に、再生の神オシリス・イシス、そして天空の循環を司るヌトを重ね合わせることで、諏訪の地の安寧を祈る舟としての意味が込められていると考えられます。
http://tateshina-times.jp/?p=10203
※ 人形の写真は「たてしなの時間」さんより、柴舟の写真は横内靖英とびマスターからお借りしました。







