福岡県の王塚古墳の玄室壁画は、三角文を基調とした色彩豊かな文様で構成されています。

その壁画には、多数の「盾」とされる図像(上の写真)が描かれています。左には靫(ゆぎ)が並んでいます。

平安時代までは置盾や手に持つ盾が広く用いられていましたが、この古墳の盾の形については、ほとんど説明が残されていません。

 

 

私はオリオン座を観察するうちに、この王塚古墳の盾文様がオリオン座と強く共鳴していると感じるようになりました。

古代エジプトではオリオン座は死後の世界の再生・復活を象徴し、ファラオ(王)は死後に冥界でオシリスとなり、霊魂は夜空へ昇り、オシリスの太陽の船で航行すると考えられていました。

つまり、オリオン座は冥界そのものを象徴する星座でもあります。

 

オリオン座は盾のような形にも見えます。

また、五角形の内部が鼓(つづみ)の形になる点も興味深いところです。

王塚古墳の盾文様も中央が白く鼓形になり、全体として五角形を角形を成しています。

私はこの図像は「盾」であると同時に「オリオン座」を象徴していると捉えています。

 

 

古代ギリシャの星座図では、オリオンは左手に盾を掲げた“武装した戦士”として描かれています。

左手には盾、あるいはライオンの皮を持つ姿が一般的で、これは狩人としての力と防御の象徴です。

古墳時代の壁画を描いた人々も、オリオン座の形を盾として捉え、この墓に表現した可能性が高いと考えられます。

 

王塚古墳の盾文様は横に並んでいるため、置盾としての性格も持ちます。

盾の力によって魔除けとし、この墓の霊魂を強力に守ると同時に、オリオン座の“再生の船”に乗って航行し、強い再生・復活を願うための図像であると考えられます。

 

https://www.crossroadfukuoka.jp/event/14018

 

※ 壁画の写真は「福岡県観光WEBクロスロードふくおか」からお借りしました。