私は、八咫鏡の構造は宇宙の摂理や原理を象徴的に表しているのではないかと考えています。

 

 

 

この図(左上の図)に描かれている「ヨモツヒラサカ(黄泉平坂/黄泉比良坂)」および「イフヤサカ(伊賦夜坂)」の赤い斜めの直線は、何を意味しているのでしょうか。

 

 

ヨモツヒラサカは、日本神話において生者の世界と死者の住む他界(黄泉)の境界にある坂、あるいは境界地所とされています。イフヤサカは、死者が神聖な世界へ移行する通路として捉えられていました。

 

 

この八咫鏡の構造図(吉野信子氏の著書より引用)に描かれた斜線の角度を測定したところ、約23度であることが分かりました。これは、地球の地軸の傾き(約23.4度)と一致しており、私はこの図が「ヤタノカカミ」の図象(上の図象)と地球の磁力線(下の図象)の図を融合した象徴的構造であると考えています。

 

 

 

 

 

 

図中の上下に描かれた二つの円は、地球の磁力線を表していると解釈できます。ヒ(1)は北を、イ(5)は南を象徴しており、この図を90度回転させることで、ヒが

上、イが下となり、地球の磁力線の流れと一致する左右対称の構造が現れます。

 

 

ヨモツヒラサカとイフヤサカの斜めの線は、地球の地軸の傾きを象徴していると考えられます。地球が太陽の周りを公転する際、この地軸の傾きによって太陽光の当たり方が季節ごとに変化し、春夏秋冬という季節の循環が生まれます。

 

 

 

 

 

 

また、地軸の傾きによって昼と夜の長さも変化し、夏至には昼が長く、冬至には夜が長くなる現象が生じます。もし地軸の傾きがなければ、地球は常に同じ角度で太陽光を受けるため、季節がなくなり気候が均一化してしまいます。傾きがあることで、地域ごとの気温差や気象パターンが生まれ、生態系の多様性が保たれているのです。

 

古代の人々は、境界・枝分かれ・交差といった形を非常に重要視しており、こうした場所から変化が起こり、再生・復活・変容が実現すると強く信じていたと考えられます。夏至・冬至・東西南北などの自然の節目も、神聖な象徴として重視されていました。

 

八咫鏡の図象は、太陽の「日暈(ひがさ)」を図象化したものであり、仏教の法輪もまた、八方向に伸びた線によって内暈・外暈を表現する構造を持っています。古代の人々は、地球の地軸の角度や磁力線の方向、太陽の日暈、月、星などを図象化することで、宇宙の摂理を理解し、それを神話や儀式に取り入れていたのではないかと私は考えています。