古墳時代の家形埴輪に見られる屋根の形状は、単なる建築的模倣を超え、象徴的な意味を帯びている可能性があります。私は三内丸山遺跡の屋根構造への関心から出発し、家形埴輪の屋根が「船」に酷似していることに着目しました。屋根上の千木・鰹木・懸魚・鴟尾などの意匠が水との関連性を持つこと、さらに世界各地の舟形建築や神話的船の存在と照らし合わせることで、古代日本人の屋根に対する認識が「魂の乗り物」としての船と深く結びついていた可能性を探ります。
古墳時代の家形埴輪について考察します。
三内丸山遺跡の六本柱に屋根があったのかについて以前投稿しましたがその屋根の形を考え続けてきました。古墳時代の家形埴輪の屋根の形をみてとても類似性があるものが多いと感じています。
家形埴輪は高位者や豪族の住居や倉庫を象徴しています。
屋根の上に見られる千木、鰹木、懸魚、鴟尾、五重塔の九輪、水煙、さらには西洋建築における十字架や風見鶏などを見渡すと、これらの意匠がいずれも水に関連していますが、家形埴輪の屋根の形をみて「船」にとてもよく似ていることに気付きました。普通の屋根の上に船の形が乗っているように見える埴輪もあります。
船を意識して造られた屋根であると私は思っています。
この屋根について調べてみましたが「船」を表現しているというようなことはネットや本などでは探すことができませんでした。
屋根が水に関連しているとすれば川や海、湖などが考えられます。
古代日本人は東南アジア諸島から移住して来た海洋民族の流れがありますから船に強い思い入れがあったのかもしれません。
インドネシアのトラジャ族の伝統的家屋は「トンコナン」で舟形の家屋に住んでいる人たちが現在でもいます。
多くは一族の集会や葬儀などの重要な儀式の場として使われます。
最初のトンコナンは天から降りてきたとトラジャ族は話しています。
エジプトではギザのクフ王のピラミッドの南で「太陽の船」が発見されました。太陽神ラーの天空を旅する船で昼は天空を、夜は冥界を航行する二つの船に乗ると信じられていました。
現代では飛行機や自動車が主流ですが古代は船が天空、冥界を旅すると認識されていたのかもしれません。また神霊、霊魂、祖先や死者が行き来する重要な乗り物と考えていたのかもしれません。





