十字・十字架は、古代から現代に至るまで人々に愛され続けてきた形です。キリスト教との関係が深いことで知られていますが、それ以前からも自然や宇宙の象徴として、多くの文化に根付いていました。

 

 

十字の形にはさまざまな種類があります。太陽十字、ケルト十字、アンク、卍など、それぞれが異なる文化的背景と象徴性を持っています。

 

 

 

 

 

近年、私はこの十字の形について改めて考える機会が増えました。特に感じているのは、古代の人々が現代とは異なり、自然の恩恵や脅威をより身近に感じていたということです。科学が未発達だった時代、人々は神や霊に祈ることで自然と向き合っていたのではないでしょうか。

 

 

その中でも、十字の形が日暈(太陽ハロ)から強い影響を受けているのではないかと考えています。特に日暈の「太陽十字」は、日の出や日の入りの際に現れる現象で、古代人にとっては太陽と雨の両方を象徴する重要な兆しだったのではないかと思われます。そして生~死~生の循環をあらわす象徴です。

 

 

 

 

 

太陽と水は、万物を育てる根源であると同時に、日照りや水害といった災害の原因にもなります。古代人はこの二つの力を畏れ敬い、祈りの対象として十字を用いたのではないでしょうか。

 

 

また、太陽の動きは止まることなく回転し続けます。この「回転する太陽」のイメージが、十字の形に込められた宇宙的秩序や循環の象徴と重なります。

 

 

キリスト教における聖水とホスチア(丸いパン)、神道における神鏡と神棚に添える水も、太陽と水の重要性を象徴していると考えられます。さらに、太陽神が水から生まれるという神話は、古代エジプトのラーや日本神話の天照大神にも見られます。ラーは原初の水神「ヌン」から生まれ、天照大神は伊弉諾尊が禊で左目を洗った際に現れたとされています。

 

 

 

 

こうした神話や自然現象の象徴が、日暈の太陽十字をはじめとする十字の形に込められ、古代の人々にとって祈りと宇宙の秩序を結ぶ重要な記号となっていたのではないかと感じています。