「電視観望3分スタッキング」をやっていこうとしていますが、天気が悪い日が続いてなかなか撮影できないため、星が見えなくてもできることに取り組んでみたいと思います。今回はスタッキング作業に入る前段階、天体導入までの手間と時間を少なくできる方法を考えてみました。

一つ目は、プレートソルビング(PlateSolving)。つまり望遠鏡がどこを向いているかをPCで検出します。カメラに映る映像(星の配置)から、望遠鏡が向いている座標をPCが割り出して架台に伝えてズレを修正します。
電視観望では小さなセンサーを使用することが多く、自動導入で対象が視野内に入らない場合もあります。そんな時、手動での調整が必要ですが、プレートソルビングがあれば自動で修正が可能です。

二つ目は、星図ソフトからの架台制御です。これができると、星図ソフトで指定した部分に望遠鏡を向けたり、望遠鏡の向いている位置を星図上に表示させたりできます。
例えば、星図ソフトで星図を表示して気になる天体をクリックすれば、そこに望遠鏡が自動で向くようにできます。

この二つを実現できれば、天体導入が早く、簡単にできるようになります。

追加機材の購入なし、ソフトはすべてフリーソフトを前提として、下記の条件で実施します。お金は一切使いません。

・架台はAZ-GTi(経緯台として使う・赤道儀化しない)
・プレートソルビング用に別途ガイド鏡、オフアキシスガイダー、カメラを使用しない
 (ガイド撮影をするわけではないのでガイド鏡等は準備しない。撮影用カメラの映像でプレートソルビングする。)
・PCソフトはフリーソフトを使用


その上でできるだけ簡単な方法を考えました。手順としては、次の4ステップです。

①AZ-GTiをPC制御できるようにする
全体を1台のPCで処理するので、AZ-GTiをPCで制御することは必須です。
Windows版SynScanProをインストールしてAZ-GTiをPCで制御できるようにします。

②AZ-GTi同期用ソフト(ASCOM)のインストール
ASCOMは、「①のWindows版SynScanPro」と「③または④のソフト」を橋渡しするソフトです。

③AZ-GTi+SharpCapでプレートソルビング
SharpCapとプレートソルビングソフト「All Sky Splver」をインストールし、②のASCOMを通して①のSynScanProと同期させます。SharpCapの映像をAll Sky Splverで処理して現在地を割り出し、SynScanProに伝える処理ができるようになります。これで、プレートソルビングが可能となります。

④星図ソフトからのAZ-GTi制御
星図ソフトstellariumをインストールし、②のASCOMを通して①のSynScanProと同期させます。
stellariumの星図を使って望遠鏡を制御したり、望遠鏡の向いている位置をstellariumの星図上に表示させたりできます。


①②は必須で、③④は必要に応じてどちらか一つのみ実施でもOKです。

 プレートソルビングをしたい・・・①②③
 星図ソフトとの連携をしたい・・・①②④
 両方したい・・・①②③④


今後、自分自身の覚え書きもかねて、①~④の詳しい手順を順次アップしていきます。


<後日追記>

後日アップした①~④の記事のリンクを張っておきます。

 ①AZ-GTiをPC制御できるようにする
 ②AZ-GTi同期用ソフト(ASCOM)のインストール
 ③AZ-GTi+SharpCapでプレートソルビング
 ④星図ソフトからのAZ-GTi制御




*架台にAZ-GTiを使用して実際にうまくいった方法を掲載していますが、姉妹機であるAZ-GTeでも同様の方法が適用できる可能性が高いと思われます。さらに、SynScanで制御できるその他の架台(Sky WatcherのEQ3、EQ5、EQ8、AZ-EQ5GT、EQ6R、GotoDobシリーズ、ケンコー Sky Explorer SE-GTシリーズ、ARK-1など)も同様の方法で対応できると思われます。これらの架台とPCの接続は、WiFi(「SynScan Wi-Fiアダプター」を使用)か有線(「SynScan USB」を使用)のどちらかで行います。