前回、素人でも手軽に電視観望&自動導入ができるようになったので、メシエマラソンに挑戦したくなったと書きました。その理由を少しくわしく書き残しておこうと思います。あまりに基本的すぎて、ネット上にも情報がなく、僕自身困りましたので・・・

 

まず、電視観望と眼視観望の違いです。眼視(アイピースを通して目でのぞく)で星雲を観望した場合、20cm程度の口径では、白い煙のように見えます。20cmの反射望遠鏡を所有していますが、天文写真のような鮮やかな色合いには見えません。比較的大きくて明るいオリオン大星雲ですら白い煙にしか見えません。もちろん、これはこれで、レンズを通して生で観望できるオリオン大星雲の真の姿であり、とても美しいものですが、僕のような素人の感覚では、少し寂しい感じがします。ちなみに、僕自身は体験したことがありませんが、35cmを超える大口径望遠鏡を使うと、眼視でも薄っすらと色の付いたオリオン大星雲を見ることができるそうです。

 

一方、カメラを使った電視観望では、6~7cm程度の小口径望遠鏡でも、リアルタイムで色付きの星雲を見ることができます。アイピースのレンズ越しに直接見るわけではなくPCやタブレットのディスプレイ越しなのが少し寂しいですが、「リアルタイムで色付き」の迫力は眼視では得られないものです。ここで注意したいのは電視観望と天文写真の違いです。どちらもカメラを使う点は共通していますが、天文写真は赤道儀を使った高精度な追尾でカメラを長時間露光して撮影します。非常に高精細な「色付き」の画像が得られますが、数分から数時間単位で露光するため、「リアルタイム」ではありません。電子観望は「リアルタイム」で画像を確認できますが、天文写真に比べると粗い画像となります。

 

次に、自動導入についてですが、素人が星雲を観望しようとするとき、自動導入できる架台は必須です。ファインダーで確認できないような淡い天体を導入するわけですから、対象の座標を調べて赤道儀を使って導入できる技量が必要です。これができない場合は、自動導入に頼らざるを得ないと思います。今は、赤道儀と同じような価格で、経緯台タイプの簡単な自動導入架台なら手に入りますので自動導入に頼る方が手軽です。

 

手軽に入手できるようになった自動導入架台を使ってメシエ天体を次々に導入し、電視で「リアルタイムで色付き」で観望する。この方法なら天体導入の技能も必要なく、低価格・コンパクトな機材でメシエマラソンの完走が実現できると考えています。