先日入手したSE120Lで惑星を眼視観望するのににちょうどいいと思い、SVBONYのズームアイピースSV215を購入しました。
SV215は、焦点距離を3mmから8mmまで調節できるアイピースです。すでに使用されている方からの「高性能である」との発信がブログなどで多数見受けられますので、安心して試すことができます(テレビューのナグラーズームと同等との意見も!)。
SE120Lの焦点距離は1000㎜なので、SV215を使えば125倍から333倍までのレンジで観望が可能です。
ちょうど最近、夜空に明るく輝いている木星でその実力を確認してみます。
■木星の眼視観望
まず、SV215を最低倍率の8mmに設定した状態で、木星を視野に入れます。倍率がそれほど高くない上に、56度と視界が広いので、慣れた人なら容易に導入できる思われます。
類似品のテレビュー ナグラーズーム(僕は持っていません!)とスペックを比較すると下記のようになります。
焦点距離 視野 ナグラーズーム 3~6 mm 50度 SV215 3~8 mm 56度
SV215の方が2mm余分に低倍率にできて、視界も6度余分に広いです。このおかげで、天体導入のハードルがかなり下がっているはずです。導入のために低倍率アイピースを準備して差し替える必要がないため、快適な観望が可能です。
この時点で一旦ピントを合わせました。クリアな見え味で、ピントの山がつかみやすいです。木星の2本の縞模様は余裕で見えます。視野が広いので、木星の衛星も一緒に見えます。木星はかなり明るいので周囲にハロが見えますが、これはアクロマートレンズを採用している対物レンズ(SE120L)側の問題であり、接眼レンズのせいではないと思います。
さっそく、SV215のリングを回して少しずつズームアップしてみます。少し力が必要で、SV215をしっかり固定しておかないと、力を込めたときに接眼レンズごと回ってしまい望遠鏡が揺れます。もう少し小さい力で回る方がベターです。ただし、スムーズに回りますし、1mmごとにクリック感があり、今何mmなのかレンズを覗きながらでも分かります。
高倍率にすると、よりハロが気になりますが、前述のとおり、これは鏡筒側の問題であり、SV215のせいではないでしょう。
SV215は倍率を変更してもピント位置がズレない(パーフォーカル)だとうたわれていますが、完璧なパーフォーカルではないようです。ズームアップすると、わずかですがピントがズレます。倍率を変えたときにはピントを微調整した方がよいです。一方で、視野角とアイレリーフは、ズームしても特に変化が無いようでした。
SE120Lは口径120mmなので、一般には適正倍率が240倍と言われています(適正倍率=口径の2倍)。つまり、4mm設定のときの250倍がほぼ適正倍率ということになります。たしかに、3mm設定(333倍)にすると、像は大きくはなるものの少しボケてしまうため、4mmの方が表面の模様が詳細に見えました。
■ビクセンNPL4mmアイピースと比較
SV215の設定を4mmにして、手元にあるビクセンNPL4mmと見え味を比較してみました。まずは仕様を比較してみます。
視野 アイレリーフ NPL4mm 50度 2.3mm SV215 56度 10mm
SV215の方が視野、アイレリーフともにNPLを上回っています。実際覗いてみたところ、この性能差を感じることができました。SV215の方が、視野が広く、アイレリーフが長くて覗きやすいです。見え味に関しては、互角だと思います。
追加で、土星でも見比べてみたのですが、この時は、NPLに比べてSV215はわずかに暗い印象でした。もともと土星は暗いので、差が分かりやすかったのだと思います。NPLの方が抜けの良い見え味と言えそうですが、その差は小さく、1本でいろいろな倍率に変更できる利便性を考えれば、今後はNPLの出番が少なくなりそうです。
■SV231色補正フィルターの効果を確認
前述のとおり、SE120Lはアクロマートであるがゆえに、高倍率で惑星を観望するとハロが目立ちます。そこで、SV215と同じSVBONY製の「SV231色補正フィルター」を装着して、見え味が改善するか確認してみました。
(SV231は電視観望でも活用しているアクロマートの色収差を目立たなくするフィルターです)
SV215にSV231を装着した様子↓

この組み合わせで木星を観てみたところ、これがかなり良い見え味です。劇的に改善したといっても差し支えないでしょう。
周辺部のハロが消え、木星本体の模様のコントラストもかなり良くなりました。僕は以前200mmのニュートン鏡を持っていたのですが、その見え味に勝っているのではないかと思います。
惑星の見え味は、その日のシーイングに大きく左右されますので、たった一度の観望では優劣が付けられませんが、縞模様の波打っている様子や大赤斑の色の濃さなど、満足のいく見え味です。
また、SV231を使わない場合は、4mm(250倍)がベストでしたが、SV231を併用すると、3mm(333倍)までズームした方がよく見えます。SE120Lは決して高性能な鏡筒ではありませんが、「SV215とSV231」が、その性能を精一杯引き出しているように感じます。
SV215とSV231はともにSVBONY製です。
スペック上は、SV215はテレビュー製ナグラーズームのジェネリック品のような気がしますし、SV231はバーダープラネタリウム製フリンジキラーのジェネリック品のような気がします(ナグラーズームもフリンジキラーも僕は持ってません!)。SV215とSV231も決して安いわけではないのですが、ナグラーズームやフリンジキラーの価格と比べると激安です*。
鏡筒SE120LにSV215とSV231を揃えても、全部で10万円以下です。このセットがあれば、かなりハイレベルな高倍率の眼視観望が楽しめるのではないかと期待しています。電視観望のように写真が掲載できないので、ブログで記事にすることは少ないかもしれませんが、これからの眼視ライフが充実しそうです。
*SV215(約14,000円)、SV231(約6,000円)、ナグラーズーム(約80,000円)、フリンジキラー(約15,000円)