Xperia 1Vの前回のカメラレビューに続けて、今回はビデオのテストです。

 

前回見ていない方はこちらへどうぞ。またXperia 1Vのカメラセンサーなども第一回目で紹介しております。

 

 

 さて、今やスマホのカメラ機能はキレイで当たり前ですが、一番が差が付きやすいのは実はビデオ撮影だったりします。これはなぜかと言いますと写真は後処理はいくらでもできますが、ビデオ撮影は現実的にリアルタイムで処理が追い付かず、後で処理しなおしも難しいため、センサーやレンズと基本的な補正のみでの勝負になるためです。

 わかりやすく言えば、カメラ撮影の比較は、武器をフル装備した戦いですが、ビデオ撮影は素手での戦いになります。例えばGoogle。Pixelシリーズは優れた画像処理が可能であり、カメラ撮影では好スコアでも、ビデオ撮影のテストでは一気に画像処理という武器が使えずに、iPhoneに水をあけられてしまうのもこのためです。現在のところ、ビデオ撮影はiPhoneとHuaweiのツートップで、それをOppo、Xiaomiが追いかける状態です。

 

 

 しかし、Xperia 1Vのメーカーソニーは世界に誇るビデオカメラメーカーで、世界ほとんどのテレビ局で使われているほどシェアを持ちます。技術的にiPhoneやHuaweiに本来負けるはずがないと筆者は思っている。それが今回の最新センサーでどこまで進化したのかを簡単に見てみようと思います。

 

 テスト① スライド風景撮影比較

 

それぞれ撮影したネイティブファイルを乗せられずに申し訳ございません。

参考として並べたビデオを乗せました。

 まず若干気になったのが、動画撮影中の画面表示遅延でした。iPhoneは非常にスムーズに表示しており、ほぼリアルタイムに撮影している風景が画面に表示されますが、なぜかXperia 1Vは撮影では画面がコマ送り状態でした。いろいろいじっても治らず、なぜ処理が追い付いていないのか、解明できませんでした。もしかして今後のアップデートで治るかもしれません。

 そしてもう一つはデフォルトの色づくりは一転してXperia 1Vは写実的になり、iPhoneもPixelも見た目よりもインスタ映えのポップカラー気味になっていました。これはセンサーの露光モードや露光センサーにも影響しているため、もっと作例がないと傾向が分からないところです。今回は返却の問題でこれしか撮影できませんでしたが、次回チャンスがあれば、さらにいろんなビデオ撮影をするかもしれません。

 そして次に、動画で明確なのは案外横にスクロールしている絵はiPhoneが一番コンスタントで、その次にPixelが安定しており、Xperia 1Vは明らかに止まっていると撮影できるビデオが解像度がはっきりしており、動き出すと一気に映像がぼやける傾向がありました。

 もしかして、Xperia 1Vはセンサーから書き出した情報に対して、搭載しているCPUでは処理しきれていない可能性もあり、現時点では素晴らしいカメラ撮影の画質に対して、ビデオの画質は凡庸という印象を受けました。決して悪くはないが、GoProのほうがキレイという印象でしょうか。定点カメラで撮影するならば威力が発揮するかもしれません。

 

テスト② 手振れ補正

 

手振れ補正は、ハイエンドスマホだと標準で搭載しており、一眼カメラではセンサーシフトかレンズシフトに分かれますが、スマホは基本的にレンズシフトタイプで、レンズとレンズの間に可動レンズを一枚おいてそれが振動時に振動の反対方向に動かすことで、イメージとして以下のモジュールが入っていると考えてください。

 

 そうすると当然広角とズームだとOISのレベルが変わりますが、今回はより使う頻度の高い広角をテストしました。

 結果的に言えば、Xperia 1Vの手振れ機能は現在のスマホの中ではトップレベルだと思います。歩きの手振れ補正はすでに攻略されており、なかなか差がつかないのですが、より振動が大きい走りながらの手振れ補正は見ての通りPixel6に比べて僅かさでXperia 1Vのほうが良く補正されております。ただ、歩き状態から走り状態への移行に見られる一瞬の大きな動きまでXperia 1Vは補正しており、非常にスムーズに撮影できているのは評価できる点ですね。また、Pixel6はOISに比べてデジタル補正も大幅に入っており、レンズがシフトする際に画面の外側の映像がグニョングニョン動いているのに対して、Xperia 1Vは映像の外側部分が補正による変化がもっと少なく、かなり安定して撮影できていると思います。

 

 テスト③ 音声テスト+外部マイクでのテスト

 広角レンズを被写体から2M離れた状態で撮影しました。そして今回の目玉の一つでもある5.2倍ズームレンズですが、ポートレート画角でのビデオ撮影ということで、4M離れて撮影しました。

 割とこのような距離感と画角で撮影する人は多いのではないでしょうか。

 これでテストしたところ、Xperia 1Vの内蔵マイクは全指向性であるため、2Mでも被写体の声が入りづらいといことが判明しました。また5.2倍撮影時は、iPhoneのようにマイクのズーム収音はついておらず、リアルの環境音を拾い続けるので、人物のズーム撮影には音声を工夫する必要があります。

 入力音声そのものは決めてクリアで、立体感はあるものの、距離離れている被写体の音声を取る場合、TypeC接続の外部接続ワイヤレスマイクなどを使用すると音声をしっかり拾うことが可能です。詳しくは動画をご覧ください。

使用マイク:ワイマクC

 

比較すると結果は一目瞭然で。ワイヤレスマイクを付けたほうが音声がしっかりと入力しており、また環境音も程よく入力されているので、臨場感のある動画音声を撮れるようです。

 Xperia 1Vでは特に複雑な設定はなく、TypeCに接続するとマイクと認識され、自動的に録音音声がマイクから入るようになりました。

 

 以上まず急ぎでビデオのテストを行った印象になります。まだまだズーム撮影や夜景などやり足りない部分もありますが、また借りれる機会があれば、他の機種との比較も含めてレビュー記事を皆さんにお届けできればと思います。