2023年6月発売予定の最新ソニーのフラッグシップスマホ:Xperia 1 Mark Vのテスト機を入手したので、さっそく手持ちのスマホと比較撮影してみました。2回に渡って簡単レビューしてみます。本当はフルサイズ一眼やXiaomi 13Proなど他のハイエンドカメラと比較するべきですが、手持ちが現在iPhone13無印とPixel6しかなく、比較対象に本来ならないものですが、ご了承ください。とはいえ、一般的に皆さんが持ってそうな機種と比べて、Xperia1Vがどこまで凄いのかの参考になるかと思います。

 

 まずXperia1Vを簡単に紹介すると、レンズ超広角16mm・広角24mm・望遠85mm-125mmの3つのレンズで構成されており、特に広角レンズのセンサーはソニーさん新開発の2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for mobile」を搭載。より多くの光を取り込めるので、高感度・低ノイズ撮影が可能ということです。「フルサイズセンサーを搭載した一眼カメラ並みの撮影が可能!」と言っているので、本当かどうかを見てみたいと思います。さらに、ZEISSのコーティングを施しているので、フレアやコントラストの締まりに強いとのことですので、楽しみですね。注意としてはZeissのレンズではなく、コーティングのようです。まあ、Zeissレンズ搭載したら、販売価格20万が30万円になりかねないので、そこは妥協するべき点ですね。ソニーさん自身ミラーレス一眼用Gレンズ作っているので、レンズは申し分ないと思われます。

 

 前提知識として、カメラセンサーは大きければ大きいほど画質が一般的に良いので、Xperia 1Vのセンサーは1/1.35インチで5200万画素、Pixel6センサーは1/1.31インチで5000万画素、iPhone13のセンサーは1/1.78インチで1200万画素で、三つともソニーセンサーなので、兄弟対決になります。大きさのイメージがよく分からない方はこちらを見てください。赤い点々が今回のそれぞれのセンサーサイズに近いサイズになります。オレンジが1インチなので、すべて1インチより小さいセンサーになります。なお、フルサイズセンサー一眼に匹敵と謳い文句のフルサイズは一番外の濃い青色のサイズになります。

では早速比較します。※UPできるサイズ制限があるので、すべて圧縮したファイルになります。ただし原寸比較をアップして比較します。

比較①広角カメラの比較

まずはXperia1V

つぎがPixel6

次がiPhone13

そして中央部の原寸比較

そして右下の角周辺の原寸比較

 この比較では、色作りに明確な差があり、iPhoneは明るめに出やすいのに対して、Pixelは落ち着いたトーンで元の色を尊重するような絵作り。それに対してXperia1Vは少し明るめに鮮やかにしながらもハイコントラストに仕上げております。ちょうどiPhoneとPixelの間の絵作りですね。

 中央部の比較では1200万画素しかないiPhone13はさすがに苦しいので、同じ5000万画素があるPixel6とXperia1Vの比較になりますが、ここではXperia1Vがより細かく撮影できております。Pixelはコントラスト重視で暗めになってしまったことが影響しているかもしれませんが、拡大した時に細かさはさすがにXperia1Vですね。

 周辺部では一転して、Pixel6が一番よく映っており、Xperia1Vは逆に流れてしまっていて、解像できていないことがわかりました。画角が異なるので、Xperia1Vの24mm相当の広角はセンサーサイズに対して若干無理しており、周辺の画質は妥協する必要があるかもしれません。

 

比較②ズーム撮影の比較

 つぎはズーム撮影の比較ですが、光学ズーム5倍搭載しているXperia1Vの圧勝であることは間違いないので、比較になりませんが、やはり光学ズームを搭載しているハイエンドカメラスマホの壁を、10万円ほどのスマホでは完全に太刀打ちできないことが露呈しました。

ちなみに、広角に対して、ここの部分を拡大撮影したズームになります。

 まずはXperia1V

次はPixel6

最後にiPhone13

iPhone13とPixel6はデジタルズームなので、画角が異なることはご了承ください。

この寸法で見るとなんだ、結構iPhone13とPixel6頑張っている印象を受けますが、

原寸比較すると・・・

 完全にレベルが違うことが分かります。1200万画素しかないiPhone13は完全に不利ということで仕方ないですが、光学ズームありなしだと撮れる細かさが全然異なりますね。Pixel6もデジタルズームにAIで特殊処理してて、キレイに写そうと頑張っているが、光学ズーム搭載のXperia1Vは完全に違和感がない映りですね。

 一つ気になるのが、Xperia1Vはズームレンズだとセンサーサイズが一気に小さくなり、全体的にISOが上がってしまい、コントラストがかなり低下し、ノイズも出てますね。室外曇りの環境光なので、室内や夜景でズームレンズを使用すると画質の悪さが出てしまうかもしれません。

比較③色再現の比較

 案外ソニー裏面照射CMOSが昔のWX1の時代から弱いのは紫色の再現で、さすがにもう対策しておりますが、この新しい2層センサーの色合いの再現を試してみました。こちらがXperia1V

次がPixel6

そしてiPhone13

そして原寸比較です

 iPhoneはかなりポップな色づくりでどっちかといえばインスタ映えする色合いになっております。それに対してPixel6は現実的な色に忠実な色合いになっており、落ち着いた色で撮れてます。Xperia1Vはその両者の中間で現実的でありながら、少し映える方向で色再現しております。ちなみに現実的な見た目はPixel6を少し明るくした色合いでした。Xperia1Vが若干暖色よりなのは気にあるが、色のハレーションで諧調がなくなることもなく、色再現は全く問題がないレベルです。

 しかし一つ疑問なのは、同じようなセンサーサイズなのに、Pixel6と比べてXperia1Vはだいぶボケが大きいと思いました。確かにレンズの明るさはあるものの、このボケみは、小さいセンサー特有のざわつきがなく、すごく素直で気持ちいものです。フルサイズ並みの画質と言っているのはこの部分なのかもしれませんね。

 

比較④マクロ撮影の比較

まずはXperia1V

次はPixel6

最後にiPhone13

そして原寸比較

 まず気になるのはXperia1Vはボケはキレイなのに、周辺がすごく流れているため、マクロ撮影時だとかなり気になります。Pixel6も修正は明らかに流れている。それに対してiPhone13は周辺の処理がかなりキレイで、マクロ撮影は意外にもiPhoen13の勝ちとなりました。

 ただ、真ん中をクロップした比較だと、Xperia1Vのボケと解像感は本当にキレイで、色は少しずれているものの、一眼レフで撮影したと言われてもわからないレベルまで来ていると思います。マクロ撮影する際は流れている周辺を切り落としましょう。

 比較⑤ポートレート撮影の比較

 まずはXperia1V

 

次はPixel6 

最後にiPhone13

そして縁処理対決

 まず肌の色ですが、iPhoneが一番よく、そもそも色合いが全体的に明るいので、合わせる意味では一番自然でした。Pixel6 は写実的なのか、元気のない肌色である。それに対してXperia1Vはなめらかで肌色の再現は写実よりだと感じました。

 そしてポートレートモードなので、Pixel6もiPhone13も無理してデジタル処理でボケを出しており、明らかに不自然です。Pixel6よりもiPhone13のほうが自然に処理できている。これに対してXperia1Vはまさかにデジタルによるボケ処理はなしでした。当然一切違和感がない代わりにボケが小さい。ただ、ズームが効くXperia1Vのポートレートモードは印象的ではないが、極めてシャープで人物が浮き出ているので、マイクロフォーサーズ機の通常ズームレンズで撮影したと言われても違和感ないレベルではないでしょうか。

 比較⑥暗い室内での撮影の比較

 まずはXperia1V

 

 次はPixel6

 

 そしてiPhone13

 

最後に原寸ノイズ比較

 

 同じソニーセンサーとはいえ、すでに何世代も前のiPhone13は拡大するとノイズと解像感で苦しいものの、全体的にぱっと見た感じ明るさもあり、悪い印象がありません。一方、Pixel6はノイズ処理は2年前ではトップレベルと言われたので、確かにノイズは見えないが、全体的に暗く、特に暗い部分では大部分のディテールが失われています。

 そして今回は強みを発揮したのがソニー最新2層裏面照射センサーを搭載したXperia1Vです。暗いシーンでありながら、色情報をしっかり撮影できており、Pixel6では黒潰れになっている部分もしっかりと諧調とディテールが残している。さらに原寸比較では、センサーがノイズに強いのか、デジタル処理でノイズ潰しをあまり行っておらず、コントラスト低下も線がボケることもなく、非常にシャープに撮れておりました。

 

 長くなりましたが、第一回目としてまずは写真をそれぞれ比較してみました。あくまで個人的な感想なので、認識違いもあり、ご参考程度になればと思います。まず写真の実力はXperia1Vは、とようよりはソニーの2層BSIセンサーは非常に素性が良く、またもスマホの画質をワンランク上に連れて行ってくれそうですね。レンズのZEISSコーティングでは対応が出ていない曇りだったので、あまり威力は発揮できませんでしたが、反射が多い日などは差が出るかもしれません。Googleの画像処理技術とソニーのセンサーがどんな化学反応を起こすのか、このセンサーを採用するPixel8Proがどこまで凄いのか楽しみですね。

 

 では、次はビデオの手振れ補正やビデオ画質、ビデオの音声の比較を取り上げたいと思います。ぜひお読みくださいね。