近所に住む牧師のマリーナ。
他所から来たので、ロマンシュ語は話せないが
75歳とは思えない眼力をしたエネルギッシュな女性だ。
現役の牧師で、スイスの他にポーランドでも仕事をしており
夏の2ヶ月間は、拾った犬二匹と共にキャンピングカーで
ポーランドの森の中で生活をしているらしい。![]()
この村の人口は300人を切る程少ないのに、
変人率はかなり高い。笑
彼女はとにかく忙しいし、夏中不在なので
私は管理も兼ねて、庭と畑を自由に使わせてもらっている。
立地も申し分ないし、庭でピクニックしたりできるし、
彼女には心底感謝している‥のだが。
彼女は根っからの人智学主義者。
そう、あのルドルフシュタイナーの人智学
Anthroposophyの信奉者なのである。
そんな彼女は当然の事ながら、
バイオダイナミック農法で畑と庭を管理しているのだ。![]()
去年は彼女が様々なプレパラートを駆使して
堆肥を作り上げて行く過程を目の当たりにし、
世の中には私の想像もつかない
色んな文化があることを痛感した。
水牛の角に牛糞を詰めて土の中に埋めたり、
イラクサを鹿だかヘラジカだかの膀胱に詰めて、
堆肥の中に埋めたりと、まあ、控えめに言って
魔法使いの所業そのものであった。笑
村人が獲物をしとめた聞くと、
マリーナは鹿の膀胱を求めて、尋ね歩いていると言う。
村人の中でも変な奴と思われている事、間違いない。笑
加えて、バイオダイナミック農法では
星の運行が非常に重要らしく、時間単位で
どんな作業に適した星の配置かを詳細に
記していたカレンダーは必須アイテムだった。![]()
私たちは基本的には、忠実にカレンダーに沿って、
種まきや雑草抜きをしたりしたが、
時々は迷いなく無視した。笑
数時間で支配する星が変わることもあるので、
フルタイムのシングルマザーが、
星の意に沿う様、全ての作業をするのは不可能だった。
ある日、マリーナに
「今日は人参の種まき、できそうにないわ〜
」![]()
と言うと、勢い良く返された。
「あんたのボスに‘’今日は人参の種まきがあるから、
4時で早退させて頂きますっ‘’て言えばいいじゃん〜
」
いやいや、そんな星の運行や配置に
理解のあるボスばかりじゃないから〜笑
今年ももうじき、
カレンダーとにらめっこの日々が始まるな。
とはいえ畑は本当に楽しいので、
目一杯、星の配置状況を確認しようと思います。笑