「昨日の自分よりも成長し、目的を達成するための実践」

のひとつとして、図書から学んだことを実践していこう

 

 

本日9月22日

 

理念と経営2026年9月号より

 

君の椅子プロジェクト

代表
磯田憲一(いそだけにち)

 

 TODAY'S
 
世界に一つの「君の椅子」が果たす大きな役割

命 が誕生する喜びを分かち合う地域社会を取り戻したい ―――。磯田憲一さんのゼミから始まった「君の椅子ブロジェクト」は、「生まれてくれてありがとう。君の居場所はここにあるからね」という思いを込めて、子どもの名前を刻印した椅子を贈る取り組みだ。スタートから二〇年。プロジェクトは北海道から全国に広がり、命への愛おしさを呼び覚ましている。

抜粋58

 

 

君の椅子プロジェクト

代表 磯田憲一氏

今回の核心は、

「古くなることを恐れない。時間そのものを価値に変える」

です。

赤ちゃんに贈られた椅子は、最初はただの小さな椅子かもしれません。

しかし10年、20年と使われ、傷がつき、修理され、成人式に持っていく頃には、

「自分が生まれた時、地域から祝福された証し」

へ変わっています。


ポイント――新品の時が価値のピークではない

多くの商品は、

新品 → 使用 → 劣化 → 廃棄

という方向に進みます。

しかし「君の椅子」は逆です。

誕生 → 使用 → 傷 → 修理 → 思い出 → 家族の歴史

と、時間とともに意味が積み上がっていく。

磯田氏の、

「古くなればなるほど新しい価値を生む」

という考え方が重要です。


水平・量子的に考える

ここから商売を考えると面白いと思います。

これから価値が高くなるのは、

「時間を短縮する商品」だけではなく、「時間を蓄積する商品」

かもしれません。

AIによって便利さや効率化が進むほど、人間は逆に、

思い出、物語、手仕事、経年変化、地域とのつながり

のような、時間をかけなければ生まれないものに価値を感じる可能性があります。

だから、

「古くならないもの」をつくるのではなく、「古くなるほど良くなるもの」をつくる。

これは一つの事業テーマになります。


結論

「君の椅子」がつくっているのは、家具ではありません。

「あなたはここにいていい」という記憶です。

しかも、その価値は20年後に完成する。

短期的な売上だけを考えていたら、なかなか生まれない発想です。

企業にも、

今売れるものと、10年後に意味を持つもの

の両方が必要なのだと思います。

 

「君の椅子」の価値は、渡した瞬間だけではありません。

20年後、

「この椅子をもらってよかった」

と思えることにあります。

事業も同じではないでしょうか。

その瞬間の満足だけでなく、

「あの時、これを選んでよかった」

と何年後かに思ってもらえる仕事をする。

これは、自社の「正しい評価」にもつながります。

本当の評価は、今日ではなく、時間が決める場合もあるからです。