「昨日の自分よりも成長し、目的を達成するための実践」
のひとつとして、図書から学んだことを実践していこう
本日8月13日
理念と経営2026年8月号より

挑戦し続ける心の炎を絶やさない
スマートフォンや医療用モニター、さらには航空機内装材など、私たちの生活に欠かせない製品の材料を供給し、世界中の顧客の期待に応える有沢製作所。「財務基盤がしっかりしている今のうちに、新たな事業やマーケットを開拓することが私の代の役目」 有沢社長が見据える企業価値と展望とは。
P36抜粋
企業事例研究|株式会社有沢製作所
ポイント
1. 強みは「コア技術を磨き続けること」
有沢製作所は、レース織りから始まり、
-
織る
-
塗る
-
形づくる
という三つのコア技術を磨きながら、電子材料、航空機内装材、海水淡水化関連などへ事業を広げてきました。
事業を変えても、強みの核は変えない。
この姿勢が、一〇〇年以上続く企業の土台になっています。
2. 危機の時こそ研究開発を止めない
リーマン・ショックや主力市場の変化で五期連続赤字となった時も、先代社長は売上高の約七%を研究開発へ投じ続けました。
短期的には削りたくなる費用ですが、
技術立脚型企業にとって研究開発は未来への生命線
と判断したのです。
危機の中で何を削り、何を絶対に残すかが経営の重要な判断になります。
3. 「信用」より「信頼」を得る
有沢製作所が重視するのは、過去の実績による信用だけではありません。
顧客から、
「こんなことできる?」と最初に相談される会社
になることを目指しています。
そのためには、期待に応えるだけでなく、期待以上の提案を積み重ね、未来についても頼られる必要があります。
4. 指示待ちから「自ら考える組織」へ
有沢社長が変えようとしたのは、トップの決断が速い一方、社員が指示を待つ企業風土でした。
そこで、
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15%カルチャー
-
自由研究
-
改善提案
-
挑戦を評価する仕組み
-
社員同士の議論
を増やしています。
有沢社長は、
「沈黙は悪」
と考え、頭の中にある意見やアイデアを出し、共有することを重視しています。
5. 「昨日の自分」を超える
経営理念は、
「昨日より今日、今日より明日」
です。
ライバル企業との比較だけではなく、自分自身が昨日より一歩進んだかを見る。
大きな革新だけでなく、小さな改善や学習も「挑戦」として評価しようとしている点が特徴です。
6. イノベーションは環境からも生まれる
新設した「ARISAWA Innovation Center」は、社員自身がワークショップで考えた職場です。
テーマは、
-
創る
-
語り合う
-
振り返る
社員が自分たちでつくった場所だからこそ、コミュニケーション量も増えています。
イノベーションを求めるなら、アイデアが生まれやすい環境も意図的につくる必要がある。
7. 自前主義を捨て、共創へ
変化の速い時代では、自社だけですべてを行うことに限界があります。
有沢社長は、
「自分たちにできないことを明確にする」
ことが共創では重要だとしています。
できない部分は他社の力を借り、自社の強みに集中する。
その方が新しいアイデアも生まれ、開発スピードも上がります。
結論
有沢製作所の強さは、
変えるものと、変えないものを明確にしていること
です。
変えないのは、
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コア技術
-
顧客への信頼
-
研究開発への姿勢
変えるのは、
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組織風土
-
ブランド
-
働く環境
-
他社との関係
-
新しい市場
です。
老舗企業の革新とは、過去を捨てることではなく、強みを残しながら使い方を変え続けることである。
水平思考
この事例は「新事業開発」より、
既存技術の用途をずらし続けた会社
として見ると興味深いです。
「織る」という技術が、レースからガラス繊維へ移り、そこから電子材料や航空機へ発展しました。
新しい技術を毎回ゼロからつくるのではなく、
今ある強みを、別の市場・材料・顧客課題と組み合わせる
ことでもイノベーションは生まれます。
量子思考
有沢製作所では、
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伝統と革新
-
自社技術と他社技術
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集中と自由
-
計画と偶然
が同時に存在しています。
特に「誘発される偶発」という考え方は重要です。
偶然の発見は待つものではなく、本気で行動することで発生確率を高めるもの。
一生懸命に試行錯誤するから、予想外の成果が生まれます。
自社への活用方法
活用キーワードは、
コア技術・信頼・挑戦・自発性・共創・オープンイノベーション・変えるもの/残すもの・誘発される偶発
共有すべき視点は、
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自社の核を明確にする
-
好調なうちに次の柱を育てる
-
小さな挑戦も評価する
-
意見を出すことを歓迎する
-
自社でできないことを明確にする
-
外部との組み合わせを増やす
ことです。
自社の哲学と照らし合わせて
今回の内容は、自社のイノベーション・当事者意識・多様性・正しい評価と強く重なります。
特に、
「世界に一つしかない組み合わせを育て続ける」
という哲学と、有沢製作所の「織る・塗る・形づくる」を異分野へ展開する考え方は近いものがあります。
新しいものをゼロから探し続けるのではなく、
今ある人・技術・地域・経験を、新しい組み合わせに変えること
最後に一言でまとめるなら、
企業の未来は、強みを守ることでも捨てることでもなく、強みを磨きながら新しい組み合わせへ挑戦し続けることで開かれる。