「昨日の自分よりも成長し、目的を達成するための実践」

のひとつとして、図書から学んだことを実践していこう

 

 

本日は8月1日

理念と経営2026年8月号より
 

 

 

 

 TODAY'S
 
お天道様

「ビジネスはお天道様の 上がっているうちにやろうよというのが創業以来の持論で、 暗くなってからどこかへ行って一杯やって、ああでもない、 こうでもないとか、 自分のタイプとしては嫌なんですよね」
小川賢太郎

ポイント

1. 「お天道様」は合理性を意味した

ゼンショー創業者・小川賢太郎氏が語る「お天道様」には、二つの意味がありました。

一つは、

仕事は明るいうちに、現実を見ながら進める

という姿勢です。

夜の酒席で義理や感情に流されるのではなく、

  • 事実

  • 数字

  • 安全性

  • 将来性

  • 実行可能性

を基準に判断する。

小川氏は、情緒や人間関係だけで経営判断を曲げることを嫌いました。


2. 義理よりも、事業再建の可能性を選んだ

吉野家の倒産時、旧経営陣への義理を重視して残る人たちがいる中、小川氏は資金力のある株主のもとで再建を進める道を選びました。

これは冷淡さではなく、

会社を本当に再建するには何が必要か

を優先した判断です。

過去への忠誠より、未来の継続可能性を重視しました。


3. BSE危機でも現実に合わせて方法を変えた

米国産牛肉の輸入が止まった際、吉野家は従来の味を守るため牛丼販売を停止しました。

一方、すき家は安全性を優先して豪州産牛肉へ切り替え、それに合わせてタレも変更しました。

守るべきものは従来の方法ではなく、安全な食を提供し続けること

と考えたのです。

目的を守るために、手段を変える現実的な判断でした。


4. 独自戦略も合理性から生まれた

すき家は、

  • テーブル席

  • 家族客への対応

  • 多様なメニュー

  • 幅広い利用場面

を取り入れました。

従来の牛丼店とは異なり、コストも手間もかかります。

しかし、牛丼を特定の客層だけの食事にせず、より多くの人が利用できる業態にするための戦略でした。

合理性とは、単なるコスト削減ではなく、目的に対して最も有効な方法を選ぶことです。


5. 合理性の行き過ぎは問題も生んだ

効率とコストを追求する中で、ゼンショーでは「ワンオペ問題」など、現場への負担が社会問題になった時期もありました。

合理化は重要ですが、

  • 現場の安全

  • 人員配置

  • 働く人の尊厳

  • 継続可能性

を欠けば、組織や社会からの信頼を失います。

合理性には、人への配慮という制御が必要である。


6. もう一つの「お天道様」は理念だった

小川氏の経営は、利益だけを求めるものではありませんでした。

学生時代には社会の矛盾を変えようとし、その後は資本主義の仕組みを使って、

「世界から飢餓と貧困を撲滅する」

という理念を掲げました。

一店舗の弁当店から始め、食材調達、加工、物流、販売までを一貫して整えることで、安全な食と雇用を世界に広げようとしたのです。


7. 食の事業を社会インフラと捉えた

小川氏が目指したのは、単なる外食チェーンの拡大ではありません。

  • 安定した食料調達

  • 安全な食品加工

  • 効率的な物流

  • 手頃な価格

  • 世界各地での雇用

を一体化し、社会インフラとして定着させる構想でした。

食を提供することを、社会問題を解決する仕組みに変えようとした。


結論

小川氏の経営は、

理念は高く、判断は現実的に

という「理想主義的現実主義」でした。

理念だけでは事業は続きません。
合理性だけでは、人や社会から支持されません。

  • 大きな目的を持つ

  • 現実を直視する

  • 方法に執着しない

  • 数字で判断する

  • 社会的責任を忘れない

この両立が、ゼンショーの成長を支えました。


水平思考

「お天道様」は、単に昼間に働くという意味ではありません。

人に隠れて説明できない判断をしない

という意味にも捉えられます。

経営判断を、

  • 社員

  • 顧客

  • 取引先

  • 地域

  • 家族

に明るい場所で説明できるか。

この視点は、合理性が人間性を失っていないかを確認する基準になります。


量子思考

小川氏の経営には、

  • 理想と現実

  • 社会貢献と利益

  • 安全と価格

  • 効率と人間性

  • 継続と変化

が同時に存在しています。

安全な食を安価に提供するには効率化が必要です。
しかし、効率化が人を疲弊させれば理念に反します。

理想と現実のどちらかを選ぶのではなく、矛盾を抱えながら最適な均衡を探し続けることが経営です。


自社への活用方法

活用キーワードは、

説明可能な合理性

  • 感情と事実を分ける

  • 目的と手段を分ける

  • 安全を優先する

  • 方法に執着しない

  • 数字で検証する

  • 現場負担を確認する

  • 関係者に説明できる判断をする

合理化を進める際にも、「誰かに無理を押しつけていないか」を同時に見ることが重要です。


自社の哲学と照らし合わせて

今回の内容は、自社が大切にする、

  • シンプル

  • 当事者意識

  • 正しい評価

  • イノベーション

  • 多様性

と重なります。

特に「シンプル」とは、複雑な事情の中でも、

何を守るための判断なのか

を明確にすることです。

また「正しい評価」とは、短期的なコストだけでなく、

  • 安全

  • 人への負担

  • 信用

  • 継続性

  • 社会的価値

まで含めて判断することです。

自社の哲学である、

「世界に一つしかない地域をつくるために、世界に一つしかない組み合わせを育て続ける」

ためにも、理想だけでも採算だけでも不十分です。

地域に必要な価値を掲げながら、現実的に続けられる仕組みに落とす必要があります。

最後に一言でまとめるなら、

良い経営とは、理想を下げることではなく、理想を実現するために現実的な方法を選び続けることである。

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